はがきゑ展最終日

2週間にわたった「はがきゑ展2003」も今日が最終日。

  この展覧会は、故・山口瞳先生の肝煎りで始まったもので、17回目になる。国立在住および縁のあるアーティストが一堂に会する展覧会だ。
  
  今日はその最終日で打ち上げ。展覧会の打ち上げに名を借りた大忘年会だ。といっても料理もお酒も持ち寄りのアットホームなもの。

  僕は義太夫三味線の鶴澤寛也師匠に送っていただいた越後の銘酒「雪中梅」を持っていった。寛也師匠は「雪中梅」の丸山酒造の直系なのだ。この宴会の話をしたら送ってくれた。すみません、催促したようで(してるか)。あと仲良しのフリーライター・大津なほ子嬢にもらった土佐鶴の柚子焼酎も持っていった(到来ものばっかりですな)。この忘年会、僕が顔を出すようになって10年くらいだろうか。いまではすっかり僕の年間スケジュールに組み込まれてしまって、これが終らないと年が明けないような感じになっている。

  いつもなら乾杯と行くところだが、今回はスタート時からの出品メンバーで今月はじめに亡くなった喫茶ロージナ店主・伊藤接さんへの献杯となった。ほかは別にセレモニーはなく、わいわいと夜遅くまで呑み続けるのは例年通りだ。

  「雪中梅」は美味しかったなあ。甘口だけどしつこくない甘さ。着席する時は雪中梅のあるテーブルを選んで座った。隣を見たら石彫家の関敏先生。僕と同じことを考えてこのテーブルに座ったそうだ。「いいねぇ」と二人で重点的に飲んだ。柚子焼酎も美味かった。ビンを開けるとほのかに柚子が香り、お湯で割るとその香りがフワァッと広がる。

  この喧騒の中にいるとやはり在りし日の山口瞳先生のことを思い出す。この宴会では人一倍朗らかに話しながらも、お酒が行き渡ってるか目を配り、蟹をお皿にとりわけ、そうかと思うとテーブルを拭いていたりする(そんなん僕がやりますって)。気配りと心配りの人だった。

  遠くから来ている人もあるので段階的にお開きになり、エソラの明かりが消えたのは10時半ごろだった。

  ああ、今年も終ったな。って明日も会社はあるんだけどね。