群馬県太田市は「やきそばの町」だそうである。なんでも、秋田県横手市、静岡県富士宮市、と群馬県太田市が「やきそばリンク」というの結んでいるということなのだ。太田市観光協会のホームページで見たから間違いない。
そういうわけで楽しみにしていた。やきそばは大好物の一つだ。駅を降りると、ここかしこに「やきそばの町・太田へようこそ」と染め抜かれたのぼりが林立し、改札口の中にまでかぐわしいソースの香りが漂ってくる、というような情景を想像してわくわくしながら電車に揺られた。
東武伊勢崎線の太田駅に着いたのは正午の数分前。勇躍降り立った。ちなみにノーネクタイである(しつこい)。
駅前を見回す。駅前を埋め尽くす「ヤキソバ」の旗印・・・・がない。妙にひっそりしている。あ、原色の派手な看板がある。あれかな?
「Banco do Brasil」
ずいぶんと探したが、飲食店自体がほとんどない。あっても夜だけの営業の飲み屋さんが多いようなのだ。
道の向こうに「ヤキソババー」と言う看板が見えた。「ヤキソバランチ」との添え書きもある。やったネと思って駆け寄ると「支度中」の木札。正午に支度中のランチセットとはこれ如何に。
だいたい「ヤキソババー」って名前が気に入らないね。最初は「焼きそばBAR」かと思ったが、本当は「妖怪やきそ婆あ」なんじゃないか?(「やきそ」って何?)
30分近くさまよって「すえひろ食堂」といういい感じの店を見つけた。そば、うどん、定食の店。木造の店舗でじいちゃんとばあちゃんがやっている。10席ぐらいの小体な店。タイルの床にパイプのテーブルと椅子。マガジンラックに「漫画ゴラク」「週刊漫画」。この感じ好き。
もちろんやきそばを食べた。ちぢれてない太い麺のソースやきそばだ。「肉入り」と注文しなかったので肉は入っていない。うん、なかなか普通に美味しかった。でも店内に「やきそばの町」とか「太田名物」とかいう文言は一言もなかったな。
もちろん僕の見落としなのかも知れないが、町の中を結構歩いても「やきそばの町」を示すものは見当たらなかった。もしかしたら官主導で「笛吹けど踊らず」状態なのかもしれない。ほんの数時間の滞在だから確信はない。もしかして違ってたらごめんなさい。いくらでも謝っちゃうし、いくらでも訂正しちゃう。
町おこしって難しそうだけど楽しそうだな。僕も機会があったら関わってみたいと思う。でも僕はやきそばは作れないというか料理全般できないし、音楽はできないし、絵も描けないしスポーツも苦手だ。そして自分の得意なことしかやらない性分だ。これじゃ町おこしには関わりにくい。
じゃ、お前は何が得意なのかと問われたら・・・・・雑談と言い訳かな。
「雑談と言い訳で町おこし」「雑談の町くにたちへようこそ」「本場くにたちで言い訳にチャレンジ!!」
はい、ダメですね。
ああ、今日も雑談で終ってしまった。太田市の歴史と文化の深淵に錘鉛をおろすのは明日に延期、と言い訳・・・・。