今回の季題・兼題は「音楽」(特に「ジャズ」)。春の気候(春雨、春風、春嵐、春の雪等)」。
ではさっそく吉例により拙作からご案内。
ゴミ出しの足元にほら春風
春北風(はるきた)に紺のブルマも跳ねにけり
春泥や褒められたくて積みし嘘
春風に押されて行くやA列車
【解釈と干渉】
第一句 朝、素足にサンダルをひっかけてゴミ出し。素足だからこそ感じられる、昨日までとちょっと違う春の風。
第二句 春北風(はるきた)とは文字通り春に吹く北風のこと。寒いんだけどはつらつと動き跳ねる女学生の姿。
第三句 春泥とは春の雪解けや霜解けによるぬかるみのこと。今まで白く清浄な雪に覆われていたが、雪解けとともにその下にあるものが明らかになってしまう。それを隠すためについた嘘。そしてその嘘を隠すためについ口から出てしまう・・・。嘘の無限連鎖。
第三句 いや、なにかジャズの句を作らなきゃいかんと思って・・・・。