プレミアム・ミルキー

banka-an2004-04-13


今日最大の事件は歯が折れたことだ。

  若造だと思って油断していたら、存外に重い強烈なストレートを食らっちまった、なんてことは全然なくて・・・。

  朝、雪印の6Pチーズを齧ったとたん、ガリッといった。奥歯の詰め物が外れてしまったのだ。3月25日に治したのとは別の歯だ。

  出社してすぐ、職場の近くにあるかかりつけの歯科医院に電話した。

  「奥歯の詰め物が外れちゃって、応急処置だけしてもらえませんか?」

  予約で一杯だったのを無理やり11時に応急処置の予約を入れてもらった。

  まあ、これで一安心、と机の上にあった不二家ミルキーに手を伸ばした。恥ずかしながらの大好物なのだ。


  歯が悪い人にとってミルキーが危険なことは誰でも知っているだろう。迂闊に噛むと詰め物を根こそぎ持っていかれてしまう。

  でも今日は大丈夫。左側は3月25日に頑丈にくっつけてもらったばっかりだし、右側は今、既に取れている。だから取れる心配がない。

  そう思って、ミルキーを一粒、口に放りこんだ。

  ガリッ!

・・・あれ?


  全然関係ない前歯が折れてしまったのだ。



  歯医者さんに行って、大きく開けた僕の口を覗き込んだ先生が言った。

  「あれ? どうしちゃったの?」

  電話したあと折れちゃったんです。

  「うーん、これはかかるよぉ」

  時間ですか? お金ですか?

 「両方だねぇ」

  
  ああ、あの一粒のミルキーが僕の資金繰り計画を暗転させるとは思いもよらなかったのである。