待ちに待ったパーティ、待ちに待った本だ。
新進作家・石田千さんの初めての出版記念パーティだ。このたび晶文社から『月と菓子パン』というエッセイ集を上梓した。何気ない町暮らしの中のちょっとした風景をいきいきと温かく描いたエッセイだ。表紙装画は山本容子さん、ブックデザインは南伸坊さん。
デビューの経緯がユニークだ。古本研究誌「彷書月刊」が主宰する「第一回 古本小説大賞」で大賞を獲られてのデビューだった。その後も着実に力をつけて、今や連載5本の売れっ子だ。
作家・嵐山光三郎さんの助手を勤めながら執筆活動を続けている。僕もかれこれ10数年の付き合いになる。優しくて賢い人なのでいつも助けられている。
石田さんのエッセイは読む人の心をほっこりと温かく豊かにしてくれるものだ。観察が細かくその視線は暖かい。かといって文体に甘さはなく潔くキリリとしているから全然臭くない。
パーティーの発起人も豪華メンバーだ。
嵐山光三郎、大島一洋(元・「鳩よ」編集長)、岡部憲治(テレコムスタッフ代表)、坂崎重盛、坪内祐三、元木昌彦(元「週刊現代」編集長)、山本容子
と言った重鎮ぞろい。
パーティの会場は日比谷公園内のレストラン松本楼。そこに120人もの人が集まった。
やはりマスコミ関係の人が多かったかな。発起人以外の有名どころでは、南伸坊さん夫妻、立川志らく師匠、中村誠一さん、花田紀凱さん、田村セツコさん、石川セリさん、ってこの日記に登場している人ばっかり。他にも、
国立組ではエソラのマスオさん、経営コンサルタントの朝倉潤さん、山口正介さん、嵐山さんの親友・株式会社「サトウ」社長のシュウさんが出席した。
僕は女流義太夫の鶴澤寛也師匠と待ち合わせていった。先日、4月9日のはなやぐらの会の帰りの宴席でそういう話になったのだ。
いろいろな人たちがかわるがわる挨拶に立った。誰もが石田さんを大好きなこと、そして本の出版を喜んでいるのがみんなのニコニコ顔に現れていた。
最近不機嫌な僕も、皆さんの話を聞きながら、すっかり顔が緩んでニコニコしてしまった。カレーもメチャおいしかったし。
最後は元・平凡社の名カメラマン・坂本氏と「彷書月刊」の名物編集長・田村治芳氏の号令と怒号のなか、大混乱で120人大集合の写真を撮った。撮れてるのかな、本当に?