今日は「志らくのピン、パート2・シネマ落語の最終回。
このシリーズは、講談社の元木昌彦編集長の監修のもと、各界の著名人がプロデュースし、志らく師匠が語りおろしの「シネマ落語」を披露するというもの。シネマ落語といっても映画の筋を話すというのではない。その映画の世界観やシノプシスを古典落語の世界に移植して、新作落語をつくるというものだ。
今までも何回か行っていて、この日記でもご紹介している。
本来の意味では前回、7月14日の嵐山光三郎氏プロデュースによる「真昼の決闘」が最終回(僕は迂闊にも聞きそびれた)。
今回は番外編。ネタは『幕末太陽傳』。大ネタだ。
その前に、今回は大御馳走があった。
嵐山先生と版画家の山本容子画伯による漫才だ。容子さんは三味線の師匠である志らくさんの母上にみっちり三味線の特訓を受けたそうである。
人を食ったような不可思議な漫才で嵐山さんの表情だけでも十分笑いを取っていた。
さて、メインイベントの『幕末太陽傳』。
監督・川島雄三。フランキー堺、小沢昭一の至芸で知られるこの映画、もともとが古典落語の「居残り左平次」なのはよく知られている。それを今度はまたシネマ落語に逆輸入というという形。いくつもののネタを換骨奪胎して約1時間の長編落語に織り上げたものだ。
僕がわかったネタは、まず「居残り左平次」。他に「品川心中」「文七元結」「お見立て」「小言念仏」「三枚起請」「よかちょろ」。他にもあったのかもしれないが、寡聞にして判らなかった。
それらが複雑に絡み合ってまるで曼荼羅絵のような落語空間が描出されていた。まさにスペクタクル。あっという間の1時間だった。
終演後は渋谷のレストラン「ドゥーヴェ ラ フォンテ」で打ち上げ。これにも紛れ込ませてもらった。
出席は志らく師匠、容子画伯、嵐山先生のほか、芥川賞作家の大岡玲さん、評論家の坪内祐三さん、エッセイストの坂崎重盛さん、元・SPA、PANJA編集長の渡辺直樹さん、日テレの鈴木君枝アナ、松本志のぶアナ等々、という豪華な布陣。で、どうしてここに蕃茄がいるの? という感じ。
そうそう忘れてはいけない、立川志らくさんの監督・脚本・音楽・主演映画「不幸の伊三郎」のヒロイン、女優の酒井莉加さんもおられて親しくお話が出来た。一見、お人形さんのような美少女だが、くるくると活発に変わる表情の豊かさは天性の女優だ。
莉加さんもホームページを運営しておられて、
「では今日のレポートはお互いのホームページで競作で」
ということになった。
終宴後は立川企画(講談社かも)差し回しの嵐山氏のハイヤーに渡辺さんともども便乗させていただきDOOR TO DOOR。なんとも贅沢な一夜。
「ああ、面白かった!」と帰宅して、PCのスイッチを入れたとたん、鼻血が出てきて
びっくりした。