夕方のニュース・ショーの定番企画ではあるが、今日もやっていた。「万引き保安員は語る!! 恐るべき万引きの実態」みたいな企画。
関西の方がノリが面白いからか関西局の取材が多い。今日も関西のスーパーでの収録だった。
「万引き保安員の仕事を追う」みたいな企画。追われる保安員はベテランの女性保安員Nさん。木の実ナナ主演の人気サスペンスシリーズ「万引きGメン・二階堂雪」シリーズのモデルでもある。
実は僕はこのNさんにお会いしたことがある。もう7,8年前にもなろうか、仕事でむしゃくしゃしたことがあってつい出来心で・・・・、ってことでは全然なくって、「商業施設における防犯」について教えを請おうと赴任先の都内のスーパーを訪ねたのだ。
アポをとってはいたのだけど、いつものクセでつい早めに着いてしまって、
「じゃ、スーパーの中でもブラブラして時間をつぶして・・・」
って思っていたところで、声をかけられた。
「いらっしゃいませ、蕃茄さんね。ずいぶん早かったですね」
もちろん初対面である。人相風体なども伝えていない。スーパーとはいえ都内の準ビジネス街なのでスーツ姿の男の客など、いくらでもいる。それなのに・・・。
ビックリしつつ声の主をみると、小柄なおばさんがニコニコして立っていた。でも目は笑っていない。
館内の喫茶店に入っていろいろお話を伺った。ここで万引きの手口を紹介するわけにもいかないので割愛するが、お話はとても印象深いものだった。
Nさんがこの道に入ったのは意外なことがきっかけだった。かつては小料理屋を経営していたというNさん。ある日外出先で虎の子を置引きされ、それこそ立ち直れないほどのショックを受けたと言う。ショックで店を続ける意欲も無くなり結局店じまい。
そんなNさんを立ち直らせたのが「防犯」への思い。心機一転、警備会社に就職し、修業を積み、腕っこきの保安員となり、新人を訓練する立場にもなったと言う。
そんな彼女、僕がお会いしたときは東京の下町方面に住んでおられたが、今日の番組は関西局。 おそらく実績を買われてヘッド・ハンティングされたのだろう。
もう、多分、古希を超えられていると思うのだが、今日のテレビを見る限り、犯人を追う足捌きなどは堂にいったもので、とてもそんな年齢には見えなかった。
最近は万引き犯も凶悪化する一方だという。お怪我の無いようにお仕事に励んでいただきたいと思う。