博労の遺産

えーっと、ずいぶん前のこの日記で出した数字クイズを覚えておいでだろうか。ネタ元は百鬼園先生の『阿房列車』。先生と弟子のヒマラヤ山系くんのやり取りだ。
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3人で宿屋に泊まりましてね。払いが30円だったのです。
それでみんなが10円ずつ出して女中に帳場に持って行かせました。

そうしたら帳場がサアヴィスということで5円まけてくれたのです。

それを女中が3人のところへ持ってくる途中で、その中の2円をごまかしましてね。
3円だけ返してきました。

だからその3円を3人で分けたから、一人1円ずつ払い戻しがあったのです。10円出したところに1円戻ってきたから一人分の負担は9円です。

9円ずつ3人だしたから、3×9=27円。27円に女中が2円ごまかしたから〆て29円。

1円足りないじゃありませんか? 

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ね、不思議でしょ。答えは各自考えてください。

それに勝るとも劣らないクイズを昨晩、仕入れてきた。「五人廻しの会」での五街道喜助さんの「壷算」のマクラだ。定番と言えば定番なんだけどね。

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博労の親父が死にましてね。

遺産は当然、馬。11頭の馬が親父の遺産です。

さて、この親父さんには息子が3人。それをどう分けるかは遺言状に書いてありました。

「長男に半分。次男に四半分(四分の一)。三男に六半分(六分の一)」

とある。さあてどうしよう。11頭だから最初の「半分」からしてできない。馬を半分に切るわけにもいかない。

困っていたら、親戚の叔父さんが馬に乗ってやってきた。

兄弟の話を聞いた叔父さん、深く頷くと明快に言い放った。

「ようし、じゃ叔父さんの馬をあげよう。そうしたら合計12頭。それですべて解決だ」

まず長男の分は12の半分で6頭。6頭持っていった。残りも6頭。

次男の取り分は四半分だから12の四分の一で3頭。だから3頭持って帰ったら残りも3頭。

三男には六半分だから12の六分の一で2頭。2頭持って帰ったら残りは1頭。それを見た叔父さん、

「ああ、一頭余ったか。それじゃあ・・・」

と言って、残った馬に乗って帰っていったという。

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どう? ちょっと面白いでしょう? 

でもこれって、数字クイズと言うよりも、大岡越前の「三方一両損」か「ちょっといい話」って感じかなぁ。