美術講座  講師 関 頑亭氏 テーマ『こころ』

あ、昨日も水戸黄門目黒祐樹にかまけて、一昨日予告した「僕が2月24日にマスオさんからの電話で脱力してしまった詳細」を明らかにするのを忘れてしまった。


そう、2月24日の発送作業中にマスオさんから電話がかかってきたのだ。

「蕃茄さん、3月5日の頑亭さんの講演会行くんだっけ?」

ええ、行きますよ。楽しみにしています。


この小さな町に画廊が二十軒以上あるというのは国立の自慢の一つだ。そしてその二十数件あるギャラリーの団体が「くにたちギャラリーネットワーク」だ。

その「くにたちギャラリーネットワーク」の創立何周年だかの記念事業が3月5日に開催されるの頑亭先生の講演会なのである。

頑亭先生は国立を代表する芸術家だ。仏師としては、わが国でも最高峰に位置する人で、天平時代に途絶えた「脱活乾漆技法」を30年かけて復活させ、現在もわが国唯一の作り手だ。御年85歳。

とまあ、凄く偉い方なのだが、その一方でとても気さくな方で僕のようなものにも気軽に声をかけてくれる。僕も国立に数多いファンの一人だ。その頑亭先生が講演会を開かれるのだ。行かないわけがない。

「ああ、よかった。じゃ、ちょっと手伝ってもらえます?」

ええ、いいですよ。頑亭先生にもマスオさんにも普段お世話になってますから。何やればいいんですか。受付ですか? 場内整理ですか?

「いやそうじゃなくって、蕃茄さんにはトークの聞き手をやってほしいの」

・・・・・・・・・えっ?

マスオさんが言うには持ち時間の2時間を高齢の頑亭先生にぶっ通しで講演していただくのは困難、二部形式にして後半は何人か先生のファンも登壇してパネルディスカッションするのだという。

・・・・・・・・・えっ? 何でオレ? 美術も仏教も詳しくないっすよ。

「大丈夫だよ。蕃茄さんそういうの巧いからさ。で、27日の17時半、ギャラリー・コロンで打ち合わせね。よろしく!!」

よろしくって・・・・。僕のようなチンピラに頑亭先生のお話の聞き手などできるわけないじゃないですか!?


膝の力がガクッと抜けてしまった。<つづく>