有求皆如意

banka-an2005-03-13


お届けするものがあって、昼前、故・山口瞳邸へ。

治子夫人とご子息の正介氏が出てこられ、治子夫人に、

「この前はお疲れ様。とってもいい講演会だったわ」

と言われる。3月5日の日記にも書いた「関頑亭先生講演会『こころ』のことをおっしゃっておられる。ステージの上からは気づかなかったがご来場されていたようだ。そういえば以前、

「私は端っこの目立たない席が好きなのよ」

とおっしゃっていた記憶がある。


その足で嵐山邸へ。連絡ごとをポストに入れようとしていたら、ちょうど玄関を出てこられたところだった。

「この前は頑亭先生の講演会で大活躍だったそうじゃないか(笑)」

と冷やかされる。

「今日、マスオくんに会う予定ある?」

ええ、これからキャットフィッシュに行こうと思ってますけど。

「お使いだてして申し訳ないんだけど、この色紙を届けてくれないかな」

ええ、お安いご用です。


色紙は今月末に開催される「竹葉書画展」への出品作品だった。

関竹葉というのはマスオさんの父上、せきや会長・関栄一さんの号だ。近年は書家としても精進され、今般、マスオさんのプロデュースで展覧会を開くことになったのだ。それに実弟である頑亭先生、敏先生、そして友人である嵐山先生が賛助出品するのだ(この展覧会については近いうちにまたお知らせします)。


色紙をキャットフィッシュ(=エソラ)のマスオさんに届けると、

「そうそう、頑亭さんから預かっていたものがあるんだ」

と奥へ。そして一枚の薄い紙包みを持ってきた。

「これ、頑亭さんからこの前のお礼だって」

「有求皆如意」と墨で書いてある包み紙を開けると、中から仏画が出てきた。


ええっ? こんなものいただいていいんでしょうか? などと言いつつ押し戴いて帰り、早速額に入れて自室に飾った。

次、 頑亭先生にお会いしたときには「有求皆如意」の意味について伺ってみようと思う。