お届けするものがあって、昼前、故・山口瞳邸へ。
治子夫人とご子息の正介氏が出てこられ、治子夫人に、
「この前はお疲れ様。とってもいい講演会だったわ」
と言われる。3月5日の日記にも書いた「関頑亭先生講演会『こころ』のことをおっしゃっておられる。ステージの上からは気づかなかったがご来場されていたようだ。そういえば以前、
「私は端っこの目立たない席が好きなのよ」
とおっしゃっていた記憶がある。
その足で嵐山邸へ。連絡ごとをポストに入れようとしていたら、ちょうど玄関を出てこられたところだった。
「この前は頑亭先生の講演会で大活躍だったそうじゃないか(笑)」
と冷やかされる。
「今日、マスオくんに会う予定ある?」
ええ、これからキャットフィッシュに行こうと思ってますけど。
「お使いだてして申し訳ないんだけど、この色紙を届けてくれないかな」
ええ、お安いご用です。
色紙は今月末に開催される「竹葉書画展」への出品作品だった。
関竹葉というのはマスオさんの父上、せきや会長・関栄一さんの号だ。近年は書家としても精進され、今般、マスオさんのプロデュースで展覧会を開くことになったのだ。それに実弟である頑亭先生、敏先生、そして友人である嵐山先生が賛助出品するのだ(この展覧会については近いうちにまたお知らせします)。
色紙をキャットフィッシュ(=エソラ)のマスオさんに届けると、
「そうそう、頑亭さんから預かっていたものがあるんだ」
と奥へ。そして一枚の薄い紙包みを持ってきた。
「これ、頑亭さんからこの前のお礼だって」
「有求皆如意」と墨で書いてある包み紙を開けると、中から仏画が出てきた。
ええっ? こんなものいただいていいんでしょうか? などと言いつつ押し戴いて帰り、早速額に入れて自室に飾った。
次、 頑亭先生にお会いしたときには「有求皆如意」の意味について伺ってみようと思う。