当蕃茄庵の常連さんであり、メル友である近江の濫読姫・紙魚子さんとここ数日、「方言」の話で盛り上がっている。
同じものでも地方地方によって呼び名が変わるのは面白い。東京で言う「がんもどき」も関西では「ひろうす」になる。「てんぷら」「おでん」などもずいぶんとイメージが違う。
で、今日当たりはずいぶんと冷え込んでいるが、「綿入れの半纏」ってあるでしょ?
あれを貴方のおうちではなんて呼びます?
僕の住む東京では大抵、まあ「綿入れの半纏」って言うんだけど、僕のうちでは「どんぶく」っていうのね。
僕ももともとそういっていたわけじゃないんだけどね。大学の時、同級生に石巻出身の高山君と塩釜出身の阿部くんという2人の宮城県人がいてね。始終、そいつらの下宿に泊まりに行ってたんだけど、夜、どちらかの下宿で飲んでて冷え込んできたので、
「ちょっとその半纏貸して」
と言ったら「半纏じゃねーよ、どんぶくだよ。どんぶく知らねーのかよ」
と返されて。まあ、僕も影響されやすい質だし、借りる弱みもあるので、どんぶくと言うようになっちゃった。で、高山君と阿部君と蕃茄君で「どんぶくトリオ」になったわけである (原案・紙魚子嬢)。
その後も僕は「どんぶく」と呼び続け、結婚しても、子供が生まれても「どんぶく」と言い続けて、我が家ではすっかり定着している。
「おかあさん、寒いからどんぶく出して」
なんて会話が普通に飛び交っている。
調べてみたら元は「胴服」で、東北全域で言うようである。福島では言わない。っていうのは郡山で育った母が知らないと言ってたから。
そして、近江人の紙魚子さんから、滋賀では「でんちこ」というと教えてもらった。またまた調べてみたら東海地方でも「でんちこ」というそうである。
「どんぶく」は「胴服」だそうだが、「でんちこ」の語源は何なのだろうか。知っている方がいたら教えてください。