五人廻しの会 in 日暮里

五人廻しの会に行ってきた。落語協会の若手5人の勉強会だ。

当蕃茄庵イチ押しの若手真打・柳家一琴さんもメンバーだ。

会場は日暮里のサニーホール。ホテルの中のホール。

さて、今回の一琴さんは主任、トリだ。これはほぼ年に一回のことなのでぜひ行きたいとずっと思っていた。

根多は「五人廻し」。廓噺だ。「廻し」とは遊廓で一人の遊女が一晩の間に複数のお客をとること。当然一人当たりの「接客」時間は短くなる。その客たちのヤキモキやイライラを描く演目だ。

それぞれの演じわけや個性の出し方がポイントになるんだろうけど、面白かった。その中でも江戸っ子の客のポンポンと小気味のいい言い立てがこのネタの眼目なんだけどお見事。歯切れがよくハイトーンの一琴さんの声ともよくあっていて、思わず拍手が起こったほど。いずれ「黄金餅」も聞いてみたい。

もしかしたら一琴さんの廓噺を聞くのは初めてだったかもしれない。これからもいろいろ聞いてみたいな。


さてこちらの「五人廻しの会」、他のメンバーも個性派・実力派揃いだ。なんども行っているうちにみんなファンになってしまった。

色っぽい入船亭扇好さんの「身投げ屋」。小悪党に愛嬌があっていい。そして腹に一物ありげな三遊亭萬窓さん。僕はかねてより萬窓さんを「なんかエッチそうなひとだなあ」と関心を持っていたのだけど今日のネタ「引越しの夢」は夜這いの噺。萬窓さんの芸風にピッタリで、かといって下品に流れず流石。お人好しの甚兵衛さんそのものの五街道喜助さんの「火焔太鼓」の大汗をかきながらの大熱演もよかったし、妙なカリスマ性を感じさせる柳家三三さんの「手紙無筆」良かったな。声にどすが利いているので迫力がある。