第14回 「うちわ絵展」(あきる野・綜藝舎ギャラリー)

二日連続で「うちわ」の話になってしまう、図らずも・・・・。

五日市線秋川駅前の「綜藝舎ギャラリー」で本日より開催の第14回「うちわ絵展」に行ってきた。

関頑亭先生(木彫家・山口瞳エッセイに言うところの「ドスト氏」)と関敏先生(石彫家・元武蔵美教授・頑亭先生の弟)を現地までお連れするキャット・フィッシュ(=エソラ)のマスオさんの車に便乗させていただく。ありがたい。もちろんお3人とも「うちわ絵展」の出品者である。

「綜藝舎ギャラリー」は吉澤園という造園業者さんが経営するギャラリー。オーナーが頑亭先生の大ファンで、綜藝舎の名付け親も頑亭先生だ。さすが造園業者さんが経営するギャラリーで自然のものと人工物とのバランス感覚がよく、いい調和がとれているといつも思う。

「うちわ絵展」は文字通り「うちわ」に描いた絵の展覧会で、もうすっかり秋川の夏の風物詩となっている。出品するのは10数人。みな多摩地区を地盤に活躍する画家、イラストレーターだ。

どれも素敵な作品ばかりで目移りがする。目移りしているヒマはない。そのそばからどんどん売約済の赤シールがついていく。

僕が今回買わしていただいたのは敏先生の作品。うちわじゃなくて扇子(関ブラザースは別格で扇子も出品されている)。

超微細に描かれた清流を泳ぐ一対の鮎。それに賛が沿えられている。

「雖有嘉肴弗食不知其旨也」

良き肴あると言えども食せざればその旨さを知らず、という意味。深い・・・。でももの凄くよくわかる気がする。やっぱ食せざればねえ。


同時開催は「中村富士子墨彩画展」「安藤正子水彩画展」。安藤さんは頑亭先生のお弟子さんで、この春に開催された頑亭先生大講演会ではトーク・ショーのパネラーとしてご一緒させていただいた。


安藤さんは元・国語教師なので古典文学に通暁している。今回のテーマは「奥の細道」。芭蕉翁の吟行の旅を水彩画でほんわかと明るく描いていていい感じ。いかにも安藤さんらしく可愛らしい印象の作品だ。


今日は初日なのでパーティーが行われた。庭で開催するのがこのギャラリーの凄いところだ。なにしろ造園業者さんが経営するギャラリーだ。木々を渡ってくる風は爽やかで、何よりも開放感がある。そして地元で採れたての胡瓜やトマト、トウモロコシ(あきる野の名産品である)、蒸かしたジャガイモの美味しいこと。

次から次へと美味しそうなものがでてくる。「腹も身のうち」と思いつつも、さっきの敏先生の教え、「雖有嘉肴弗食不知其旨也」がある。やっぱり一通り食さないと!!

こんな野趣あふれる素敵なガーデンパーティーで、したたか酩酊してしまった。