実り多い「美術の夏」
昨日の日記に書いた「父は将軍の孫、母はミカドの姪、祖父は忍者」は僕のオリジナルではない。原典は、BBS「蕃茄山房」の珍客・大学時代の後輩・ぶんぞう君だ。彼の場合は、高校時代、妹の英語教師のアメリカ女性にかましたらしい。「我が家は秀吉の流れをくむ忍者の家系で、東京と大阪を一昼夜で走りきる」というもの。
件のアメリカ女性は本気で信じ、母国への帰国後、ぶんぞうのホラ話を元に論文を書いたらしい。なんと罪深い・・・。日米国際理解を妨げる一石となったことだろうなんのこっちゃ。
さて、今日は市内・旭通りのギャラリー「KIZNA」に「花と實の会展」を?家族4人?で見にいく。熟年女性ばかりの絵画サークルで、長女・花子(仮名・小6)が一年生のときに担任だったK先生が参加されているのだ。K先生はこの春、教鞭を絵筆に持ちかえられた。
K先生の作品は紫陽花をモチーフにした水彩。色使いが明るくとてもきれい。陽気で人情家のK先生らしい作品だった。
一旦うちに帰り、ひとりで自転車に乗ってカフェ・キャットフィッシュ (=ギャラリー・エソラ)へ。先日の「綜藝舎ギャラリー・うちわ絵展」で購入した、関敏先生の「絵入り扇子」を受け取る(エソラ預かりにしてもらっていた)。
そうこうするうちにキャットフィッシュに故・山口瞳先生夫人の治子さんが来店。
8月20日から始まる「没後十年・山口瞳回顧展(仮称)」の打ち合わせだ。テーブルに広げた水彩画、水墨画、書の数々を脇から拝見。20点近くあったかな。網走監獄(の壁)を描いた水彩画がとくによかったなぁ。これは多分、関頑亭先生と一緒に網走に行かれたときに描かれた作品だと思う(その時の様子は新潮文庫『迷惑旅行』のうち「不埒につき網走行き」に詳しい。なぜ敢えて裏側から壁を描いたかも・・・)
そのあと治子さんを囲んで雑談。先週の直木賞発表の話題から、瞳先生の直木賞受賞前後のエピソードや第一作執筆を巡る池島新平氏(文春の名編集長)とのエピソード、初めてお二人で国立に来たときの思い出などを伺う。なんて実り多い時間。
夜は旭通りの「日日」で、南椌椌(みなみくうくう)画伯の大作を鑑賞しながら沖縄料理。実り多い締めくくり。タコライスがうまい