承前 記念すべき「RAMPO“夜の夢こそまこと”PARTY」

50000踏んだ方は及び前後賞の方はBBS「蕃茄山房」まで乞うご連絡。ささやかなプレゼントあります。

さてさて昨晩、台風前夜の突然の驟雨とともに「JZ Brat」に入る。入口で出迎えてくれたのは身長約40センチの乱歩人形。受付に名乗ると店内に案内される。

エッセイストの坂崎重盛さん、翻訳家の金原瑞人さん、出版プランナーのSさんと同席。隣りのテーブルに黒澤明監督の映画"影武者"で徳川家康を演じた俳優で?夕日評論家?の油井昌由樹さん。そのまた隣りのテーブルには作家の栗本薫さん。その隣のテーブルにはサックスの中村誠一さん、その隣りのテーブルには乱歩のお孫さんの平井憲太郎氏。客席が・・・・・濃い。

楽屋に挨拶に行くと女流義太夫の竹本越孝師匠、鶴澤寛也師匠。僕はずっと以前からの越孝師匠のファンである。

今日の主役である石塚公昭さんを見つけ、お祝いを述べる。

そうこうしているうちに第一部開演。

巨漢の手品師・PONTAさんのマジック。「空中胴体輪切り」は初めてライブで見たがほんと、不思議。ぜんぜんトリックがわからない。たしかにこの不可思議さは乱歩に通じる。それとともにPONTAさんの助手のKEITAさんの雰囲気がいい。PONTAさんがまるで力士のような巨躯なのに対し、 KEITAさんは小柄で、上目遣いのとぼけた雰囲気。こちらも乱歩作品に出てきそうなキャラ。

続いて上方からのゲスト、旭堂南湖さんの?探偵講談?で『魔術師』。歯切れがよさと明るさが不気味さをかもし出す。

続いて竹本越孝、鶴澤寛也コンビで『お七』『櫓太鼓曲弾き』。八百屋お七は『押絵と旅する男』にちなんだ演目。越孝さんの低音がカッコイイ。

つづいて寛也さんの『櫓太鼓曲弾き』。これは珍しい演目でアクロバット的奏法だ。20年ほど前、寛也さんのお師匠さんである故・寛八師匠の演奏をテレビで見たことがある。そうか、寛也さんもできるんだ。撥を弧を描くように投げ上げそれをキャッチして弾いたり、三味線をひっくり返して逆向きにして弾いたりというパフォーマンス。本来は笑うところだとあとから寛也さんに言われたが、ただただ「ホォー」と感心してしまった。

そして、ピアノ・嶋津健一、朗読・田中 完のコンビで「人間椅子」。

これは面白かったなぁ。俳優である田中さんが『人間椅子』を朗読し、それに嶋津さんがアドリブでピアノを合わせる。そしてスクリーンでは、今回の本『乱歩 夜の夢こそまこと』から「人間椅子」の項の写真作品をプロジェクターで紙芝居風に映写。主演はもちろん乱歩人形と鶴澤寛也師匠。長い付き合いになるが、外交官夫人で女流作家であるヒロイン・佳子そのままの妖艶さにビックリ。石塚さんすごい!!(あ、もちろん寛也師匠も)。

休憩を挟んだ第二部は旭堂南湖にかわって、パリで活躍中のヴォイス・パフォーマーの林千恵子さん。他の演者の方は演しものと出順をかえて再登場。場内を大いに沸かした。まさしくバラエティ・ショウ!!

いやはや面白い夜だった。ただでさえ広い乱歩の世界、さらなる広がりを見せられたような気さえするイベントだった。


さて、この石塚さんの新刊『乱歩 夜の夢こそまこと』、ほんとうに凄く面白い本だと思う。また石塚さんのホームページには作品の製作過程に関することを自らのホームページから抜粋した特設ページがあってそれが特に面白い。

ぜひここをクリックして、しかる後に出てきた画面の右端の「▽NEXT」をクリックしていただきたい。製作過程がよくわかって面白い。

石塚さん、明日(7月27日)から8月6日までは名古屋の松坂屋本店美術画廊マルチスペース(南館6階)で作品展がある。東海地方の方はぜひ覗いてきてください。後悔はさせません