花札翻訳

今朝は朝から翻訳に取り組んだ。ことの発端は長男・虎太郎(仮名・高1)だ。といっても夏休みの宿題の手伝いではない。

オーストラリア語学研修の際、僕はホストファミリーあてのいくつかのお土産を虎太郎に持たせた。「かまわぬ」柄の手拭、筆ペンとともに僕が選んだのが花札だ。花札には日本的極彩色花鳥風月デザインのすべてが凝縮されていると思ったので選んだ。

そうしたらホストファミリーの主、スチュアート・トランス氏が大層喜び、「遊び方を教えてくれ」といわれたらしい。それに対してして虎太郎は、

「僕は知らないので、帰国したら父から手紙でお知らせします」

と無責任なことを言ったらしい。困った。困ったが、ことは国際信用に関わる。何とかせねばなるまい。ではウチにある花札に添付の説明書を訳そうか。よし、日曜大工ならぬ週末翻訳家でがんばろう。

と最初は思ったのだけど、いざ説明書を広げて、ビッシリと書かれた細かく厖大な文字を見た途端、とても僕には無理であることに気づいた。

それではと、パソコンに向った。インターネットで花札の遊び方を検索し、それをエキサイトの翻訳エンジンにかければいいだ。おおそうじゃ。

しかし、あの翻訳エンジンというのも相当おポンチなもので珍訳怪訳が多い。特に固有名詞でトラブる。そこでだ・・・・。

英訳したものを再度、今度は英文和訳の翻訳エンジンにかけてチェックすればいいのだ。おおそうじゃ。

ようし、がんばるぞ!! と張り切っているところにツレが来た。何やってんのと問われたので「かくかくしかじか」と答えると、

「ふーん。でもヤフーかグーグルで『HANAFUDA』をキーワードに英文サイトを検索したほうが早いんじゃない?」

・・・・そりゃそうかも知れないけど「花札」の英文サイトなんてあるのかよ、なんて言いながらキーを打ったら・・・出てくる出てくる。

結局、出てきた中で最も体裁のよかったサイト(しかもBGMはスキヤキだ)をプリントアウトして、ツレが書いた手紙に同封した(ツレは中学の英語教師の免許を持っている)。かくして僕の週末翻訳家生活は、あっという間に終わったのだった。

ところで、どこのメーカーの花札にも、説明書の片隅に注意書きとして「このカードを投げないでください」とある。投げ花札を武器にするなんざァ、昔の東映の任侠時代劇みたいだな。ザクッと畳に刺さったりしてね(ありえねー)。そうだ、スチュアート氏にも「Do not throw」と追伸しなくては。