直流

昨晩は何十年も前の同級生のライブに駆けつける堅気の勤め人の姿に感動した話を書いた。

今日はその続きである。図らずも。

中学時代の同級生に浅沼一彦と言う男がいる。中学時代は一緒にFM国立で遊んだ仲間だ。 若い頃は文学座の研究生などしていたが、現在は地人会で演出家をしている。この春には床嶋佳子さんの一人芝居の演出をした そういうわけで堅気じゃないので実名である。

その浅沼から数日前、手紙が来た。ライブがあるという。

そうか、バンド続けていたのか。中学の頃からバンドはやっていた。聞いていて胃壁がひっくり返るような演奏を聴いたことがある。しかも「スモーク・オン・ザ・ウォーター」を浅沼が歌ったこともあった。そうそう、国立の福祉会館でコンサートをやったこともあった。あの時は館内を自転車で走り回ったりして面白かった(よい子のみなさんは真似しないように)。

そんなわけで、今日行ってきた。今日は僕が、何十年も前の同級生のライブに駆けつける堅気の勤め人だ。

会場は表参道のスタジオ「ラバン・エ・アロ」。もちろん、行ったことはない。おひとりさまである、今日も。

「SAMANTHA’S LIVE CAFE2005」というイベントへの参加で3バンド出る中のひとつだ。このイベントはよく知らないので違うかもしれないのだけど、障がい者の人たちの社会参加をサポートするという側面もあるイベントのようで、車椅子のお客さんもたくさん来ていた。

フライヤーには「料理はビュッフェで、あるだけ食べ放題」とある。この「あるだけ」という表現が微妙でいい。かつて力士にでも食い荒らされてたことでもあったのか。

行ってビックリ。この「あるだけ」は相当あった。客が全員力士でもない限り食べきれはしないだろう。豆のサラダがかなり美味い。相当うまい。感激してしまい、力士級に食べてしまった。

浅沼のバンドは「直流」という。キャッチは「怒涛の近代文学ロック」とある。今流行のテケテケの「オヤジバンド」かと思ったら、なかなかなかなか、大した本格だった。啄木の詩にメロディーをつけた曲などたしかに「近代文学ロック」だ。

あとはほとんど浅沼の作詞作曲。日本語の歌詞のロックだ。歌詞も曲もいい。リードヴォーカルでギター。演奏も中学のときの胃壁が裏返るような「スモーク・オン・ザ・ウォーター」とは格段の違い。うまくなったなぁ、ってのも今さらだけど、結構感動してしまった。、

それにしてもステージに立っている浅沼は若い。とても同じ年齢とは思えない。それでいてギターを弾きながら歌う姿はブルース・スプリングスティーンばりの迫力と貫禄がある。

再来月にはペンギンハウスでライブがあるそうだ。ペンギンハウスといっても国立の絵本店ではない。高円寺のライブハウスだ。純情商店街をつーーーっと行った先にあるコギタナ・・・・・・。えっと、いかにも中央線らしい店だ。