仰げば尊し

(さらに昨日の続き)
思えば先生には恵まれた半生であったと思う。

大学時代に薫陶を受け、卒業後、仲人までしていただいた国文学者・松田修先生がその筆頭であるが、松田先生については今までも何度も書いたので書かない。

中学一年のときの塾の先生はまだ慶應の学生で、その塾は学生仲間が集まって貸しホールを借りて運営している学習塾だった。学生ベンチャーのハシリだった。

あるとき、同級生のÅ君が3階の窓からゴミを投げ捨て、ちょうど間の悪いことに真下の空き地で作業をしていた人に当たり、怒鳴り込まれたことがあった。

先生は授業を中断して一緒になって、いや率先して作業員のおじさんに丁寧に謝って、その場をおさめてくれた。そして、

「僕は君達よりいくつか年が上なだけで、えらそうなことは言えない。でもA君のしたことは人に対してとても失礼なことだ。それだけは認識してくれ。そしてもうしてはいけない」

と静かに言って、授業に戻った。僕は思った、

「若いがなかなかできた人物だ。将来きっと出世するだろう」

いや、本当に素直にそう思ったんだってば。

その先生こそ、現在、全国にいや海外にも展開する予備校チェーン「学究社(ena国立学院グループ)」を率いる河端真一氏の若き日の姿である。

あ、ここまで書いて思い出した。河端先生のことは去年の今頃にも書いたんだったよね。話題は日活ロマンポルノを巡って・・・。「節分の夜は18禁」。←←クリック!!

川端先生とはその後、幼稚園の運動会で再会するというサプライズもあった。うちの長男が年少の時、先生の末の娘さんが年長だったのだった。