で、マァ坊夫妻と別れた後、どこに行ったかと言うとくにたち郷土文化館まで長征したのだ。国立の人ならわかってもらえると思うけど、国立駅前のエリアから同館までは相当歩きでがある。いや、マァ坊夫妻を見ていて運動不足を痛感したのでね。
と言うわけでは実はなくて予定通りの行動。10月6日から始まった「滝乃川学園創立者生誕140周年記念 滝乃川学園〜石井亮一・筆子夫妻の軌跡〜」展を見に行ったのだ。
国立にある、日本初の知的障害者福祉施設「滝乃川学園」は、まだ“福祉”という言葉すらない時代に、一人の青年石井亮一によって創立された。
そしてともに学園を支えた妻が石井筆子。かつて“鹿鳴館の華”と呼ばれた女性で、日本女性代表として津田梅子と共にアメリカにも渡っている。旧大村藩重臣で瓦解後は福岡県令(県知事)となった渡辺清の令嬢だ。
その生涯を知的障害児の教育と福祉に捧げた石井夫妻と、今もその精神を受け継ぐ人々によって運営される滝乃川学園の足跡を、学園に残された貴重な資料を通じて丹念に紹介したのがこの展覧会だ。
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石井夫妻のことは映画で知った人も多いだろう。「筆子その愛 天使のピアノ」という映画で常盤貴子と市川笑也が主演している。今春ロードショーされ、現在は全国を自主上映で回っている。
この展覧会の展示は実に良くできていた。年代別に夫妻と学園の歩みが貴重な資料の現物の展示とともに説明されて、とてもわかりやすい。学園のシンボルとも言うべき「天使のピアノ」も現物が展示されている。
また本や雑誌の類と言うのは表紙だけガラスケース越しに見せられてもわからないが、かと言って貴重な資料をむやみに触らせるわけにもいかない。そこで資料のうち何点かの複製がカラーコピーで作られていて、自由に見ることができる。このカラーコピーっていうのがキモでね。黄ばみに象徴される年輪までも実感することができるのだ。モノクロコピーではただ黒ずんでいるだけで見づらくてしようがない。
僕は国立に生まれ育って長くなるが、実は同学園のことは良く知らなかった。市内でのお祭のときなどに学園が出している出店を見るぐらいの接点しかなかった。同じ市内でも遠いと言うのもあるのだけど、まあ関心がなかったのだろう。大方の市民が僕同様だと思う。あるのは知っていてもそこまで、という。
僕も数年前に友人が出演したチャペルコンサートで中に入ったのが最初で最後だ。学園の成り立ちについて知ったのも、昨年発売された映画のノベライズ本『筆子その愛]』をたまたま読む機会に恵まれたのが最初だった。同じ町に住んでいながらお恥ずかしい限りだ。
いい企画展なので、国立に住んでいる人にはぜひ見てほしいと思う。きっと市民祭や桜祭などのときに、もっと関心を持って学園の展示を見られることと思う(僕自身もそれが楽しみ)。
会期は10月6日(土)〜12月24日(月)。くにたち郷土文化館特別展示室にて。入場無料。会期中の休館日は公式サイトにてご確認ください。
映画は残念ながら未見なのだが機会を見つけてみてみたいと思う。
そういうわけで昨日に続き「いい夫婦」の話題でした(無理やりでした)。そして「いい夫婦」の話は明日にも続くのであります(多分)。