割烹旅館 清水亭 甲州街道徒歩(かち)紀行〈6〉

・・・・・8月14日(木)初日の6・・・・・

やっと宿に着いた。今宵の宿は相模湖畔の割烹旅館「清水亭」。

相模湖畔のお土産物屋の商店街の一番端にある。一階では食堂を営んでいる。

おかみさんは「千木良からだったら30分もあれば来られるはずなのになかなかお見えにならないので心配になって」と言っていた。

最初電話には長男・虎太郎(仮名・大1)が出たそうで話が通じなかったという。虎太郎は僕たちが旅行に出ていることを知らなかったらしい。

部屋は2階。目の前は相模湖。2階の窓から釣りをする人がいると言うのもうなづける。まずはテレビをつける。北島康介が気になっていた。でも、つかない。昼間の雷が高尾山中のアンテナに落ちて、この一帯のテレビが見られないとのこと。

慌てて家に電話。ツレがでた。

「『四つの嘘』録画しといて」


おかみさんはお友達がいるのでたびたび国立にこられるそうだ。おやまぁ遠くまでと一瞬思ったが、電車なら4,50分しかかからないのだ。歩きだと1日かかるけど。


まずは晩御飯。お腹が空いた。昼間の「東京で2番目に高い蕎麦屋」以来何も食べていない。

僕は一泊2食のセットメニュー。子ども料金の虎太郎は素泊まりなので別オーダー。メニューを渡される。迷わずカレーを頼む三吉。何しろ食堂兼業なのでメニューは幅広い。

僕のセットは典型的な旅館の晩御飯。とにかく皿数が多い。刺身、煮物、天ぷら、焼き魚、名物のワカサギフライ、すき焼きの小鍋まである。そんなセットと向かい合わせで三吉がカレーを食べているのは、虐待しているようできまりが悪い(そんなことない)。

よく歩いたのでお腹が空いた。おかずも多いから3杯飯を食らってしまった。よく汗をかいたからビールがうまい。

ビール飲みつつ食事をして風呂に入ったら、テレビもないしすることがない。ゴロンと横になったらそのまま寝てしまった。


翌朝は湖上を飛び交うトンビの鳴き声「ピーヒョロロ」で目が覚めた。

上の写真は早朝の相模湖。ほんと目の前。白鳥型の遊覧船はスワン丸。船内放送で、村田英雄の「相模湖音頭」、島倉千代子の「相模湖小唄」を聞かせてくれる。だけど両方ともやけに声が高い。理由は当初より遊覧コースが短くなって船内放送が余ってしまったのでテープの回転数を上げた、という都市伝説で有名。