ちょいワルおやじの旅 甲州街道徒歩(かち)紀行〈10〉

・・・・・8月15日(金)二日目の4・・・・・

上野原を出て西へ向かう。暑い。次のポイントの「甲州ラピュタ」まではJRで一駅。

市役所からの長いダラダラ下り坂。向こうから自転車が登ってきた。まだずっと向こうで豆粒のように小さいシルエットが陽炎でユラユラ揺れる。

と思ったたら僕の横を通り過ぎた。思わず道を譲る。シルエットが小さいのは遠くだからなんじゃなくて、小さいからだった。小学校低学年くらいの男の子。小さな自転車に大きな荷物を積んで本格的な自転車旅行スタイル。思わず「がんばって!!」と声をかける。言われなくても頑張らざるを得ないのだから大きなお世話ではあるが。

続いてもう少し大きい、小学校高学年くらいの男の子とお父さんが登ってきた。父子3人での自転車キャンプらしい。本格的な装備。坂道をぐんぐん登ってくる。

ワイルドだなぁ。こういうオヤジはカッコイイなあ。僕などは徒歩旅行なんぞしていても根が軟弱でワイルドにはほど遠い。ちょいとだけワイルド。これ称して「ちょいワル」という。

それはともかく強くシンパシーを感じてしまい、すれ違うとき目が合ったので「お疲れ様です」と声をかけると、ヒゲ面をニカッとほころばせて、「いやー、暑いですねー」とかえしてくれた。振り返って見送ると3人の影はあっという間に小さくなった。


ところで、さっき「甲州ラピュタまではJRで一駅」と書いた。でもこれが遠いんだ。ただでさえ地方では駅間が広い上に山道。鉄道は山を貫いて一直線に進むけど、国道は山肌をうねうねと蛇行する。結構距離がある。

途中、突如山道に蜃気楼のように現れたダイソーで100円のお菓子を買いがてら涼んだり、郊外型スーパーのベンチで休憩したり(僕は酒饅頭を食べ、三吉にはプリンを買った)しながら歩き、道の先に「空中都市・甲州ラピュタ」への通路が見えてきたときは3時になろうとしていた。。

☆☆本日の歩行約16.6キロ。自宅からここまでの歩行距離、約52.1キロメートル☆☆