続・年下だけど兄貴

続けます。

『恋と股間』には珠玉の金言の数々があった。


「“出会いがない”なんて寝言です」とJ太郎さんは断じる。「おまえはじゃあタバコ屋のオバサンの所に頼みに言ったのか、恩師のところに頼みに行ったのか、町内会長さんのところに相談に行ったのか?」

と問いかける。「手持ちのカードを知恵を使ってやりくりしたのか」、と。一時の「“恥”というハードルを越えよ」と説く。「ヘコみやすい自分を救出するスキルを身につけ、ヘコんでいる自分にヘコまないようにせよ」と叱咤する。

「“自分はありのままで生きていくしかない”なんていうのね、さんざん努力も葛藤もしたけどうまくいかなかった人間がぎりぎりのところからふたたび生き直すために、それこそ捨て身の努力で獲得する思想なんです。なのに何の苦労も努力も試そうとしない人間が、いま自分がいるところから一歩も動かないで、楽して何かを手に入れようなんてね、世間をなめちゃあいけません」

が〜〜〜ん!!

それから、僕自身も言われたことがないでもない「友達でいましょう」という決まり文句も一刀両断してくれる。

「友達ってのは恋人よりも深い関係。北方謙三の小説なら、友が困っていたら、自らの身辺整理をしたうえで命懸けで悪いヤツらの組織に殴りこんでいく。そういうのが友情です。その(あなたの告白を断る)シチュエーションで“友達でいましょう”なんていえる人は友達ってものを本気で考えたことがない人です。その人の友達が聞いたらきっとガッカリするね。この人にとって友達ってその程度のものか、と。そういう人からは大いにふられて結構。こっちから見切りをつけましょう」

ああ、その至言!!

 兄貴、30年前に聞きたかったっす!!