年下だけど兄貴

しかしなんだね。「ドッジ弾平」を実写化するときの主演は決まったね、ブッシュ大統領に。


話は違うが、この秋の缶コーヒーのCMで福山雅治先生の主演のものがあった。建設現場で筋を通して退社して去っていく福山先生を見送る、明らかに年上のいかつい作業員が「年下だけど兄貴・・」とつぶやくというもの。なかなかカッコイイCMだった。

ちなみに我が家では福山雅治を「福山雅治先生」という。何故かと言うと、敬愛する前川清の真似をしてだ。前川さんはヒット曲「ひまわり」を作ったはるかに年下の福山さんを先生と呼んでいた。

「年下だけど先生」。


いや、そんなことを言おうとしたんじゃないんだ、今晩は。僕にとっての「年下だけど兄貴」はなんと言っても杉作J太郎さんだ。漫画家にしてライターにしてラッパーにして俳優にして映画監督。

その杉作さんがこのたび凄くいい本を出した。

『恋と股間』という本。


恋と股間

表向きにはもてない男子のための恋愛論、セックス論なんだけど、その内容は示唆に富みまくり、もぉー、痺れた。恋愛論、セックス論の形はとりながら、デジタル偏重で他者との距離の保ち方がわからない若者のためのコミュニケーション論でもある。

ノリは軽いがこれはもしかしたら凄い本かもしれないぞ。僕が学校の先生だったら道徳の副読本にしたいくらい(放送禁止用語がズハズバ出てくるので相当の勇気はいるけど)。

少なくとも「誠実であれ」「努力をせよ」「優しくあれ」と上から目線の大先生のご高説よりもずっと心に響くはずだ。読み進むうちに「誠実であろう」「努力をしよう」「優しくあろう」と思えてくる。この本が多く読まれれば、若者を巡るいろいろな悲しい事件の5%位は未然に防げるのではないだろうか、とさえ思う。

こわもてでも能弁でもないが、この人は本当の「アニキ」だと思う。凶暴な番長から守ってはくれないけど、うまい逃げ方や隠れ方を教えてくれそうだし、場合によっては一緒にぶん殴られてくれそう。

お勧め。この本についてはまたもう一回書きたいと思う。