市民が作った「財政白書」

きっかけは年末の東京新聞の記事だった。

「納得?疑問?『特別会計』 市民が国立の財政白書発売」

ここでいう「国立」とは「こくりつ」ではなく「くにたち」である。なんでも、国立市民による「まちの財政を学ぶ会」が、市の財政白書を作ったという話題である。

よく「国立は貧乏だ、貧乏だ」というのが盛んに喧伝されていて、いたずらに危機感だけが煽られている。でも実際のところはどの程度なのか? ちゃんと数字を見て語ってているのかというのが気になる。そこで熱心な市民が、各種の資料を渉猟、精査し、詳細な「財政白書」をつくったとのこと。

あれ?この記事なんか既視感あるなぁと思ったら、これは第2弾だそうである。そうだよねぇ、駅前の東西書店のレジ(まだ入口右側にあった頃)に積んであったのを見た事があるもの。

今回は前回の調査を更に発展進化、そして深化させ「特別会計」にスポットを当てたとか。とかくわかりにくい国民健康保険、老人保健医療、介護保険、下水道事業の四つの特別会計を中心に分析したという。当然、市債残高、市民一人当たりの負担などの他市と比較も載せたそうだ。

これは現物を見たい。「数字は苦手」だなんて言ってはいられない。イメージで語るのでなくちゃんと数字を把握して、?事実からの発想?をしないとね。と増田書店に走った(実際には歩いた。事実からの記述をせんといかんね)。積んでありましたよ、レジカウンターに。件の新聞の切り抜きをPOPにして。


そして読んでの感想だが…、実はまだちゃんと読めていない。今、ツレが熱心に読んでいる。

商簿2級で会計事務所での勤務経験もあるツレは、元来数字が好きな人なので随分熱心に読んでいる。

感想を聞くと、

「図表も豊富でわかりやすく説明・解説がなされているので、国立市財政の危機感と不可視的状況がビンビンと伝わってくる」

そうである。そして「すごくわかりやすく噛み砕いて書いてあるから、蕃ちゃんでもわかると思うよ」などと生意気な事を言う。そう、同じ2級でも「江戸検定」の方の僕は、ものすごく数字が苦手なのだ(経済学部出身だが)。でも「数字は苦手」だなんて言ってはいられない。ちゃんと数字を把握して、イメージで語るのでなく、?事実からの発想?をしないとね(あ、これさっきも言ったね)。自分の町の事なんだから。あとで何かあってから批判だけするのは卑怯です。

しばらくはツレが熱心に読んでいるので、読み終わったらじっくりと読んでみようと思う。いやツレが熱心のあまりに各色ラインマーカーをひいてピーカピカになっちゃってるからもう一冊買った方がいいのかな。

まだちゃんとは読んでいないのだけど、パラパラとめくった印象では、政治色を廃しているところが好感が持てた。とにかく客観的に、極力クールに(あるいは愛想無く)書かれている点が信頼できる、と思った。


知っておきたい国立市のだいどころ事情? 「見えにくい特別会計に迫る」
A4判、百七十ページ。定価千円で国立市内の書店で販売されている。