タモリのこと。

タモリを最初にテレビで見たのはいつのことだったろうか。って実はよく覚えているのだ。

高校1年の時だ。

テレビの昼間の番組だった。その日のゲストの赤塚不二夫と一緒に出てきたのだ。神父の扮装のその人はカタコトの日本語でシュールなギャグを飛ばしていた。今までに見たことが無いタイプの芸だった。一発で痺れた。なんだろう、この異常に面白い人は!!

番組の司会者も衝撃に絶句していた、「ええっと、今の方は・・・・」。脇からもう一人の司会者の中山千夏が、「赤塚さんの飲み友達だそうです」とフォローしていた。

途中から見た僕はその怪人の名前を聞き逃してしまっていた。ああ、あの人をもう一回見たい!!


翌日学校で、演芸通の同級生・T君に聞いてみた。

「昨日、テレビで凄い芸人を見たんだ。名前を聞き損っちゃったんだけど、神父の格好をしてすげぇ面白い話をするんだ。知ってる?」

「神父の格好ねぇ」 。T君は莞爾と微笑み明快に教えてくれた。「それはイエス玉川だよ」

イエス玉川


そしてそれからしばらくの間、新聞のテレビ欄や「ぴあ」を、目を皿のようにして「イエス玉川」の文字を探す日々が続いた。 もちろんT君を責めたり笑ったりする気は無い。なぜなら、各種の資料から推察するところ、これがタモリのほぼテレビ初出演だったらしいからである。