まだ「駅馬車」の話

駅馬車は行くよ。じゃなくて、「駅馬車の話」はまだ行くよ。これで最後。

ヒロインのダラス(クレア・トラヴァー)は自分が酒場の女(つまり娼婦)であることを引け目に思い、リンゴー(ジョン・ウェイン)の求愛をなかなか受け入れられずにいた。

これがなかなかわからなくてね、小学校6年だから。「酒場女」がわからないのだ、そのニュアンスが。

なにしろ駅前商店街の子だから、家業が酒場の同級生なら何人もいる。「酒場女」なんて言われると割烹着が似合う同級生のお母さんの顔が浮かんでしまう。クレア・トラヴァーとはだいぶ違う。

クレア・トラヴァー


「水商売」と言われると更にわからなくなる。なにしろ我が家の家業は銭湯である。まさに水商売(お湯商売か?)。市内最大の使用量である。ってそういう問題じゃないか。

でも、娼婦と言ってもらうとたちまちわかったりする(実際はもっと野卑な俗称であったが)。そのへんはやっぱり基地の町の子だからである。