山口瞳絵画展 〜『武蔵野写生帖』出版記念

終業後は慌てて東西線に飛び乗り日本橋へ。日本橋といえば丸善。3階のギャラリーで本日初日の「山口瞳絵画展〜『武蔵野写生帖』出版記念」へ。新・本店の開店2周年記念イベントだ。

スケッチが上手だった故・山口瞳先生が約30年前に「芸術新潮」にて連載していた「武蔵野写生帖」がこのほど一冊の本にまとまった。スケッチブック仕立ての大層カッコイイ本だ。その出版を記念しての展覧会で、水彩画を中心とした約30点を展示されている。

会場に着くと迎えてくれるのが深紅の薔薇の大きな花かご。すべて同じ種類の薔薇。見事。不器用ですから。高倉健さんからのものだった(「居酒屋兆治」の主演である)。ほかにも嵐山光三郎氏(町内会)、宮本信子(瞳先生と伊丹さんは親友だった)、小沢昭一(麻布の後輩)、大阪のH氏(山口文学の超・マニアである)からのお花でまさしく百花繚乱。

対抗して僕もギャラリーを花で埋め尽くそうと思ったんだけど、分をわきまえて、「確かな計画性」を携えていった。

作品は水彩画中心だが、パステルやデッサンもあって結構見ごたえがある。また生原稿も展示されている。瞳先生が向田邦子さんのことを書いたエッセイの生原稿。これだけでも行く価値はありますぞ。

会場には治子夫人とご子息の正介さんもおられてご挨拶。「主人はマスオさんのところ(ギャラリー・エソラ)でしか展覧会やらないって言い切っていたから、マスオさんに申し訳ないわ」と治子さん。いえいえ、こうやって都内で多くの人に見ていただくのも何かのご縁、すばらしいことですよ。

じっくりと何回りも。堪能して帰ってきた。


山口瞳絵画展〜『武蔵野写生帖』出版記念」 日本橋丸善3階ギャラリーにて。
2009年3月11日(水)〜3月17日(火)9:30〜20:30(※最終日は17時閉場)<入場無料>