あの人の肖像写真

居間の隅の壁に奇妙な写真が出現したのは数日前のことだ。なんとなく嫌な予感がして見ないようにしてたんだけど・・・・。勇気を振り絞って見てみたら、やっぱり剣呑なものだった。

赤い振袖を着たおばあさんがこちらを見て微笑んでいる。

怖い・・・・。 怖いけど、ちょっと可愛いような気がする。英語で言うとファニー。


宗家の母、セッチーさんだった。 でもなんでそれがうちの居間の壁に?

下手人は長女・花子(仮名・高1)だった。学校近くの道具屋で見つけたそうである。商品名は「ポートレート」だったとか。

女子高生にセッチーの写真を売る奴も売る奴だが、買う女子高生も女子高生である(「なんかちょっと可愛いかも」って思ったらしい)。その前に道具屋で道草を食う女子高生というのもどうかと思う。CD屋さんとかクレープ屋さんとか、もっと女子高生らしい寄り道があるだろう(女子高生に対するイメージが貧困)。

でも壁に貼ったのはツレらしい。まったく何を考えているのだが。シバ(三橋乙揶)のコラージュの隣にこういうものを貼らないでいただきたい。娘も娘なら母親も母親であるる。

でも慣れてくるとちょっと悪くないかな、などと思い始めている(早っ!!)、俺も俺である。