「へんりっく 寺山修司の弟」初日

待ちに待った「へんりっく 寺山修司の弟」初日である。昨日のことだ。


イメージフォーラムは入れ替え制で整理券は当日のオープン時からくばられ、その整理券番号順に入場できる。やはりいい席で見たい。入場は20時40分だけど、18時30分に行って整理券ゲット。4番だった。安心。


渋谷駅近くの某チェーン店で夕食。ウェイトレスさんが可愛い。「りん」さんという中国人の女の子。

食後は携帯電話で、近くの酒屋を探す。お祝いのお酒の調達をしたい。ところがかけるところかけるところ土曜でお休み。そこで駅前の家電量販店のリカーコーナーで調達した。

それでもまだ時間があるので宮益坂のネット・カフェへ。そこで書いたのが昨日の日記だ。


20時20分に劇場に。劇場前には一塊の人たち。ひときわ大柄なのが石川監督。「おめでとうございます」と声をかけると珍しく少し緊張した表情で「いやはや」などと言っている。プロデューサーにもお会いする。主演の偏陸さんもおられた。


現地で友達のトニー・セイント(仮名・日本人)、そして数日前の日記に書いた石井輝男映画出演女優の「とずちゃん」と待ち合わせ。

ぼくととずちゃんは4年ぶりくらいだけど、トニーととずちゃんは12年ぶり。前回に会ったのが石川監督の前作「樹の上の草魚」の初日だった。石川さんのおかげで再会できたね。

偶然にも、とずちゃんも僕が夕食を食べた渋谷駅近くの某チェーン店で夕食をとったという。僕の30分後。

かわいいウェイトレスさんいなかった?

「いたいた」

(声を揃えて)「りんさん!!」


などと言っている間に映画は始まった。いやその前に「ペーソス」のステージ。「へんりっく温度」と「中性脂肪が高いから」を熱唱。


映画は極力、説明を排したドキュメントで、ナレーションやテロップも入らずに森崎偏陸さんの日常を追っていく。

寺山さんと亡き師の松田修が非常に仲が良かったので、常に身近に感じてはいたのだが、僕自身は、寺山修司の本もちゃんとは読んでいないし(持ってはいる)、映画もまともに見ていない。中学校の頃、地元の名画座の「スカラ座」で何かと同時上映だった記憶はあるのだが。芝居にいたっては、僕は歌舞伎以外は芝居全般については観る習慣が無いので寺山作品に限らず見ていない。


そういうわけで寺山氏やその周辺に関しての知識と言うのはほとんどゼロ。でも、この映画はとても面白く見ることができた。

もちろん寺山さん作品世界や芸術世界をよく知る人には、もっと深い理解や共感があると思うのだけど、僕にとっては初めて見る森崎偏陸という、一人の人間の日常や非日常がとても面白かった。「どういうひとなんだろう」とカメラと一緒に、偏陸さんのお尻について回るそれだけで約2時間、飽きることなく見続けられた。

なかでも「山ちゃん」という太った酔っ払いのおじいさんとの絡みがすごくよかった。なんか「愛の物語」だなあ、と思った。


あと、エンド・ロールが画期的。詳しくは書けないけど、感動した。音楽も良かった。


あ、そうそう「ペーソス」の件。ヴォーカルの島本さん、映画の中の何ヵ所かで“出演”されていた。


パンフレットが情報満載。寺山氏の世界に精通した人には当然の基礎知識なのかもしれないけど、僕のような門外漢には知らなかったことだらけ。なるほど、そういうことなのか、と言うことも結構あった。


もう一回、見てみようかな。




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