昨日のことである。20時に職場を出た後は、ほとんどの皆さんが見当がつくと思うのだけど、渋谷へ。「へんりっく」をもう一回、見に行ったのである。
劇場前には石川淳志監督、岡田プロデューサー、偏陸さん、山田勇男さんが勢ぞろい。間もなく開場。
今宵は上映前にトークショー。偏陸さんと山田監督の対談だ。司会は石川監督。石川監督は映画のほかに「某・文芸雑誌」での作家インタビューもやっているので、こういう時巧い。質問が気が利いているので面白い話を引き出せる。
そもそも偏陸さんと山田さんは寺山門下の同門である。かつて山田さんが、つげ義春原作の「蒸発旅日記」を撮った時のチーフ助監督が偏陸さん。ちなみに美術監督が巨匠・木村威男だった。
まずはトレーラーをご覧ください。
オープニングがいきなりテラヤマ・ワールドなんだけど、このロケ地は偏陸さんが見つけてきたそうだ。
他にもいい話がいろいろあったなぁ。
偏陸さんの発言「助監督の仕事は監督のしたいことをわかってあげること。僕には監督の撮りたい絵が見える」
山田さんの発言「苦しんでいる時は、つい予定調和に妥協しちゃうものなんだけど、それはダメ。困った時ほど飛躍せよ」
そうそう、偏陸さんは音響、記録、演出、編集、デザイン、何でも出来ちゃう人だけど、山田さんも多彩な人。特筆すべきはレタリングの達人である。
楽しいトークも終わり、いよいよ上映。
2回見ても面白い。今度は安心してゆっくり見られるので、いろいろ発見があってさらに面白い。
偏陸さんの動きがいいなぁ。釘やタッカーを打つ手つき、身のこなしのかっこいいこと。そしてふと動きが止まった時の視線のシャープさ。また、忙しげに動きながら側頭部をカリカリっと掻く仕草。多分、頭の中は計算でフル回転しているんだろう。きっと一休さんの「頭ポクポク」と同じようなことなのだろうと思う。このカリカリッのあと、凄いアイディアが出てくるのだと思う。
映画は7年に及ぶ長期撮影だった。その過程をカメラに収めているってのは凄いなぁ。
あと、アラーキーさんのパーティー・シーンの秋桜子(こすもすこ。「蒸発旅日記」のヒロイン)さん、可愛いなぁ。その目力!!
うん、面白かった。やっぱりこれは凄いぞ。またもう一回観たくなってしまったよ。
そんなことを考えながら、日付をまたいで帰宅。夜、偏陸さんと仕事をする夢を見た。
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