美山の里で紅葉狩り〔7〕愛徳荘

《11月28日の旅日記から》

宴は果てた。よく食べた。よく飲んだ。よくしゃべった。

今宵の宿は「愛徳荘」である。Tさんの工場と同じ旧・美山村にある。でもとても歩ける距離じゃない。4,5キロある。いや、町中なら4,5キロはなんてことはない。酔っていても歩いちゃう。

でも真っ暗な山道、遭難必至である。

そんなわけで終宴の数分後、峠道を行く赤い小型車の助手席には、鹿の角を抱きしめてちんまり座る僕の姿があった。Kさんの奥さんに車で送っていただいたのだ。


愛徳荘は町営の温泉宿泊施設だ。清潔な木造でそこそこの規模がある。最大80人ぐらい宿泊できる。寒い夜だったが館内は温かい。奥さんにお礼を言って、廊下をずんずん進む。鹿の角を抱えて。突き当りまで進む。

突き当りからは渡り廊下。渡り廊下と言うのは屋根だけはあるが屋外だ。寒っ。油断していただけにことさらに寒い。ふたたび館内に入ってほっとする。別館に入ってさらに進んだどんづまり。「まつの間」が僕の部屋だった。和室。トイレは共同だけどそんなのは全然かまわない。

畳の部屋に浴衣で手足を伸ばせる幸せ。浴衣が「M」サイズなので「天才バカボン」か上野の西郷さんみたいになっちゃうけど気にしない。

木造建築はなんとも木の温もりがあって気分がいい。温もりはあるんだけど、冬だからやっぱり寒い。酔い覚めはさらに寒さが見に沁みる。ガチガチと歯が鳴る。お風呂に急いだ。


温泉は重曹泉。肌にちょっとトロリとするやわらかな肌触り。で、効能は? ウサギちゃん!(古い)

神経痛、筋肉痛、冷え性、慢性皮膚病、切り傷、火傷、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病など

おおっ五十肩の僕にはうれしいねぇ。もちろん一晩で治るとは思ってないが。何はともあれ寒かったので、ゆっくり温まって大満足。それでまた湯冷めしにくいんだねぇ。いいお湯だ。僕も仕事がら各地の温泉に行くが、ここはかなりいい。


すっかりいい気持ち。テレビもつけずにぐっすり眠ってしまった。


極楽な夜だった。


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