「仮装」について

今日は、「仮装」について申し上げる。

とはいっても、今日、欽ちゃんと香取くんでやっているあの番組のことではない。だから、「あれらのどこが“仮装”なのか?」なんていう野暮をいうつもりもない。


昨日の横浜のパレードだが、別名、というか同時開催が「国際仮装行列」だった。


子どもたちが仮装をして1キロちょっとを行列するというイベント。バレードに先立って開催されたので見られなかった。昼ごはんを優先しちゃったのでね、残念。楽しかったろうな。


仮装行列といえば僕も経験がある。一昨年のジェイソンのことではない。あれはハロウィン。スタッフだったので別に行列はしなかった。


高校2年のときだ。体育祭の企画だった。「クラス対抗仮装行列」というのが行われた。

クラスごとにテーマを決めて仮装する、というものだった。


あるクラスはクラス全員「女装」。全員が16歳か17歳。多少、「星の流れに」と言う感じではあったが、若いから女装もきれいである。新宿・厚生年金会館の向かいの一角方面からスカウトが来てもおかしくない感じだった。


あるクラスは新撰組。剣道が正課であったので、全員が剣道着を持っている。剣道着の袖口に白い布で山型を縫いつけ、背中に白いビニテで「誠」と描き、鉢巻でもして竹刀を持てば、なんとなく新撰組っぽく見えた。


また、あるクラスは「ヤクザ」。全員が16歳か17歳。ほとんどがチンピラ風情であったが、ラグビー部主将が圧巻だった。ただ着流しの着物を着てきただけなのに、パンチパーマで老け顔なので、まるで東映のスクリーンから出てきたようだった。

まぁ、クラス全員ヤクザの扮装というのも今だったら問題になったりするのだろうけど、当時はそんな野暮を言う人はなかった。いい時代だった。


で、わがクラスはというと、まとまりと言うものがないクラスだったので最後まで結論が出ず、「各自自由」ということになった。


そうなると悪凝りするのが僕の性分である。

いろいろ考えた挙句、「鉄人28号」の仮装をした。

頭部はもう、つくるしかない。ボール紙で製作。しかし頭頂部の丸みがボール紙では出せない。そこで台所からこっそり「ボウル」を持ち出した。

ボディは紺のトレーナーに紺のズボン。要所要所はカラーガムテとビニテでデザイン。足は普通のズック(スニーカーなんて言葉は無かった)、手は青の軍手。背中にはボール紙で作った円筒を二本背負って。

小柄な同級生・Fくんにチェックの上着に半ズボンの「金田正太郎」をやらせようかと思ったが断られた。

鉄人の造形は悪くなかったと思っているんだけど、鉄人の「中から湧き出る力感」がどうしても表現できなかった。なにより猫背がネックだった。

ネタじゃない証拠に写真をお見せしよう。


ちなみに僕の前を行くのは同級生のA君。彼は特攻服に鉢巻を締めてヌンチャクを持って、「暴走族」の仮装だった。


先週の土曜日に着て、さらに今週の土曜日にも着る予定のもの着て、「それのどこが“仮装”なのか?」なんていう野暮をいう人もいなかった。


いい時代だった。




は5月14日(金)から!!

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