「ザ・コーヴ」の後の話題としては何なのだが…。
イルカ、食ったことあります? 僕は一回だけあります。
静岡県ではフツーにイルカを食べるという話を聞いていたので、出張のついでに食おうと機会を虎視眈々と狙っていた。そしてついにやってきた静岡出張。仕事終わったら食べよう。
ところがお客さんに鰻をご馳走になっちゃって(これがまた美味くて)、静岡駅に向かうタクシーの車内では超満腹。もうなんも食えない。帰りの指定券も買ってあって専門料理店を探す時間もない。
静岡ではスーパーでフツーにイルカの切身を売っていると聞いている。スーパーで買えばいい。でも調理法がわからない。さて、どうしよう。インターネットなんてないころの話である。
この前も書いたけど刑事(デカ)の基本は聞き込みである。狩矢警部も言っていた(しつこい)。
こういうことはタクシーの運転手さんに聞くのが一番いい。
運転手さん、イルカなんて食べます?
「ええ、食べますよ」
どこに売ってます?
「スーパーや魚屋に売ってます」
どうやって料理したらいいんですか?
運転手さんが言うにはイルカの肉はパックで売っているという。必ず赤身と、皮付きの脂身が同じだけ入っているという。味付けは醤油か味噌で煮る。匂い消しの生姜も忘れずに。
そして最重要ポイントは赤身だけ食べること。脂身は香りつけのために一種に煮るだけで食べずに捨てる。そうすればやめられない美味しさだという。
なるほどなるほどとメモを取りながら聞いていたら、「ここなら売ってますよ」と駅近くのスーパーの前で停めてくれた。「静岡駅の新幹線口」といって乗ったんだけど、まあいいか。
果たしてイルカ肉はフツーに売っていた。運転手さんの言うとおりパックの中に赤身と脂身のサイコロ状の切身がほぼ同量入っていた。紅白で実に目出度い。
原産地を見ると…。覚えてない。昔のことなんで。青森だったような気もするし和歌山だったような気もするし長崎だったような気もする。とにかく静岡でなかったことだけは確か。
フツーに売っていたのでフツーに買って新幹線に乗って帰った。
うちに帰って運転手さんに言われたことをそのままツレに伝えて煮てもらった。
いやぁ、まずかったなぁ。調理がよくなかったのかもしれないが、とても食べられない。もったいないがほとんど捨ててしまった。
あれから幾星霜・・・・。今はインターネットで適切なレシピが探せる。そんな時代。ぜひ、いずれリベンジを…、
なんてことは思わない。そのくらいまずかったのだ。
※この件、たまたま好みと合致しなかった、または調理方法がよくなかった個人の感想です。あまり参考にしないでくださいね。