昨日のことである。キャットフィッシュから帰ったら、カーポートの屋根に蜂の巣が作られていることを母から知らされた。
見るとアシナガバチが巣を作っていて出入りしている。
スズメバチだと手に負えないがアシナガバチなら僕でも大丈夫。さっそく薬局に行ってアース製薬のハチ・アブ用「マグナムジェット」を買ってきた。射程距離が長いので重宝している。
駆除の段取りをツレと話していたら、次男・三吉(仮名・中2)が妙に興奮して、いまや遅しと待ち構えている。「早くやろう」と。
待て待て、暗くなるまで待ちなさい。日暮れとなって蜂が全機帰艦、じゃなくて全て帰巣してから殲滅するのだ。家作り、子育ての最中で可哀想ではあるが共存はできないのでやむをえない。
日暮れとなったあと、完全防備してアース製薬のマグナムジェットで巣を狙撃。一缶まるまる噴射して駆除。部屋の中からそれを見てガッツポーズの三吉。男の子はこういう因果なものが好きだ(僕も好きだった)
ふと、金子みすヾの「すずめのかあさん」を思い出した。
「すずめのかあさん」
子どもが
子すずめ
つかまえた。
その子の
かあさん
わらってた。
すずめの
かあさん
それみてた。
お屋根で
鳴かずに
それみてた。
話はこれで終わりはしない。アシナガバチはすずめではなかった。「みてるだけ」ではなかったのだ。
明けて、今日のことである。
夕方、一人で屋上で遊んでいた三吉が血相を変えてリビングに下りてきた。
「蜂に刺された」
アシナガバチといえども馬鹿にはできない。毒性は強い。アナフィラキシー・ショックによる死亡例もある。
ただちに府中の総合メディカルセンターのERに電話。とりあえず診ていただけるということなので車で搬送した。
結果、大事はなくアレルギー反応はなかったので塗り薬をいただいて帰ってきた。
そして、日暮れを待って再びの駆除。
三吉は、屋上の物置を開けようとした途端、刺されたという。みると物置の前に巣が転がっている。しばらく開けられていない物置の扉に巣作りをして、それが三吉が扉を開けたことによって巣が落ち、逆襲に至ったらしい。
懐中電灯で照らすと蜂たちは、落ちた巣に入り静かに眠っている。気の毒だが駆除。今度は大正のアブ・ハチジェット。
夢見は悪いが共存はできない。
まだ、夏は続く。あと、1,2回はあるかもしれない。ちょっと気が重い。
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