梗塞日記〈12〉「強情灸」への道

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入浴した。ただの入浴ではない、「リハビリ入浴」である。社会復帰したあと例えば一人暮らしのマンションのユニットバスに安全に入浴するためのプログラム「リハビリ入浴」である。


以前、教員の友人に昼休みをめがけて電話した時に、
「只今、“給食指導中”です」

と言われて面食らったことがあるが、似たようなものか。



脳梗塞で左半身の運動機能が麻痺したことはしつこく書いたが、実は右半身から失われて左半身には残された機能がある。


(そういう言葉があるかどうか識らないが)「温冷感」だ。


右半身が熱さ、冷たさを感じにくいのだ。「どろろ」の「百鬼丸」みたい。


つまり、器用に動かせる右手で「湯加減」がみられないのだ。もちろん、サラリーマンとしての僕の復職の障害にはならない。よかった。



僕とは最期まで折り合いが悪かったが、昭和のうちにキレイに銭湯を畳んでくれた祖母に感謝して、今夜はペンを置きたい。



それで、タイトルなんだけど、こういう時に評判の「峯の灸」に行って右手で「強情灸」にトライしたら、仇な年増に惚れらるんじゃないかという、ごく健全な妄想である。