梗塞日記〈12〉また来てくれたんすか?

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一昨日以来、日に何度か鏡の中に残像を見る。


「また来てくれたんすか?」




坊主頭になった自分の姿が、入院当週に見舞ってくれた畏友・映画監督の石川淳志さんにあまりにそっくりだったのだ(これまでも年齢と性別と体重が近いことは認識していたが、髪型までとは。あと、ガンジーメガネも)。いっそ「偽・双子ユニット」を結成したいくらい。



そんなことがあっても、石川カントクと落髪後の僕を共通して知る人などいないのが病院暮らしの切なさである。


唯一、共通して知るツレに言ったら、


「石川サンの方が徳が高い」と言われてしまった。



僧じゃねえし。