結構以前から愛用している手拭い。市松模様。これを首に巻いて甲州路徒歩旅行にも行った。
これがダイソーで買ったんだななんと。たまにこういういいものもある。
リハビリの運動でも当然、愛用している。シンプルなデザインが凛々しく、かつ可愛い。
ある日、ツレが首をひねった。
「ちょっとそれ変じゃない?」
これがちょっと変なことは、実は僕も気づいていた。
手拭いというのは使い込むほどに両端がほつれていくのが「味わい」だ。
それなのにこれは四辺が、かがってあるのだ。
その時、その場に見舞い客がおられた。女流義太夫三味線奏者の鶴澤寛也師匠だった。
師匠は和装の専門家である。
ご自身、デビュー以来、たびたび、手拭いを作られてきている。
「これ、手拭いの染めじゃないわねえ。もしかして‥フキン‥‥。」
確かにこれがフキンとすれば、すべて説明がつく。
ああ、俺はフキンを首に巻いて大月に行ったということか。
俺の首は茶碗か!?