今日の散歩は昨日の続き。住所を頼りに翻訳家の金原瑞人さんの家を探す。猟犬のように鼻を利かせて。
そうしたら旧鎌倉街道を外れて「御猟場道」に出てしまった。さすが猟犬の料簡。
天領なので、東京近郊にはこういう道や地名が無数にある。将軍や殿様や鷹匠や勢子たちが行き交った道だ。
国立にもある。図書館脇の公園(野球場)も御猟場だったそうだ。
そんなこんなでまた歴史散歩になってしまった。御猟場道から新鎌倉街道へ抜ける。「本宿(ほんしゅく)トンネル」で交差する。
本宿じゃない翻訳の話だ。超人気翻訳家の金原さん、翻訳作品は数々あるが、僕が一番好きなのが「チョコレート・アンダーグラウンド」。アレックス・シアラーの作品。
スリルがあってユーモアに溢れているけど品格を失わない。金原翻訳の真骨頂だ。
その粋なテーストは、そう。リンドグレーンの不朽の名作「名探偵カッレくん」を思いださせる。
そんなことを考えながら歩く新鎌倉街道。ある店の前まで来てその看板を見たとき、思わずつぶやいてしまった。
名探偵カツレツくん‥。
我ながらくだらない。トンカツを喰いたくなったが、僕はあいにくトンカツを衝動喰いできる立場にない。
数軒隣にはJAのショップ。つまり農協の直売所。立派な大根や白菜が安価で売られている。
農産品だけで無くお菓子も売っている。チョコレートを喰いたくなったが、僕はあいにくチョコレートを衝動喰いできる立場にない。<こしおれ>
鷹匠の道往き畏友(とも)の宿を狩る
鷹匠、鷹狩、冬の季語である。