糠に釘、蕃茄に鍼。俺は手が長い

夕刻から砂川へ。35年来の旧友のJちゃんの案内で。某鍼医へ。もちろん僕は脳梗塞の後遺症の運動障害が一番重症なのだけと、その他に腰痛、五十肩などいろいろあるのでまとめて診てもらおうというわけだ。


先生、僕の首にすっと触れるなり



「右の歯、悪いねえ」


そうなのだ。右の奥歯が上下ともいけなくて、歯医者さんに行かなくちゃと思っていたところなのだ。



「首、長いねえ」



そうなのだ。肩の肉と顔の肉が邪魔して目立たないが、首が長いのだ。ちなみに先生は視覚障害者で触っただけで言っている。さらには腕に触れるなり、



「これはまた手が長いねえ」


そうなのだ。手を下ろすと指先が両膝を触れたという三国志劉備ほどじゃないが(さらには、劉備は福耳で耳たぶが肩についたという。さすが白髪三千丈の国だなあ)、僕は手が長い。ジャケットを買うときははいつも袖丈を出すし、愛媛県のビジネスホテルでは左右の壁を同時に触ったことがある(どんな木賃宿に泊まっているのだ)。


まあ、「手が長い」なんてのは「手癖が悪い、盗癖がある」の隠語であったりするので、そういい話でもない。だれか足の長い人を探してきて、新ユニット「手長足長」を結成して、河鍋暁斎の絵のモデルになるくらいしか使い道は無い。

河鍋暁斎

(河鍋暁斎画「手長足長図」)


ちかごろでは「手長」といって思い出すのはサルかエビくらいだし。


とにかく、触っただけでいろいろ言い当てられてびっくり。「前世は平安時代陰陽師の屋敷の裏庭のモグラです」とか言われたらどうしようかと思ったが、そういうオカルト方面には行かなかった。


それに五十肩で上がりにくかった両手がすっと上がるようになった。統一地方選挙が近いのに万歳ができないとは参ったなぁとおもっていたので助かった


とりあえず今後、じっくりと身体中を診ていただくことにしよう。



施療後は、案内してくれたJちゃんとご子息と僕とツレの4人で国立駅前の「香来」で夕食。赤ちゃんの頃から知っているご子息が逞しい青年に成長していて頼もしいことこのうえない。「牛肉とにんにくの芽炒め定食」うまい。<こしおれ>



春宵は 値千金 鍼二本