春の雪の日、食いッぱぐれてバスに乗る

そんなわけで新橋演舞場から疲れきって帰った僕は寝坊をしてしまった。計画では、朝食は前日、石川監督からいただいた自家製の梅干(梅もご自宅に生ったものという)であつあつの白いご飯でいただき ( 「てっぱん」を観ながら ) 、朝一番から歯医者さんに行ってジムに行って、午後はゆっくり失せもの ( 新調のメガネ ) をさがすことになっていた。


しかし目覚めたときは歯医者さんの予約時刻を過ぎていた。あわてて小振りのバナナ一本を牛乳で流し込んで速攻で歯磨き(セルフイメージ。僕の速攻などたかが知れている)。


慌てて外に飛び出したら春の淡雪。「馬手に杖、弓手に傘」は苦手なので、傘無しで行った。本来なら自己都合でのドタキャンなので予約を取り直さなければいけないのだけど、隙間で診ていただけた。


ただ、隙間なので時間はかかる。終わったらもう正午近く。朝しっかり食べてないのでおなかは空いている。よし、帰ったら石川さんの梅干と白いご飯で昼食にしよう。ちょっといやな予感はするけど。


いやな予感は当たった。遅く起きてきた長男・虎太郎(仮名・21歳)がご飯を食い尽くしていた。どれだけ食べるというのではなく、あるだけたべるやつなのだ。そして律儀にお釜をちゃんと洗っているところが念がいっいてより腹が立つ。いや腹が減る。


しかたなくパンと卵を焼いてブランチ。ゆっくり用意して「てっぱん」の再放送を見ながら。


終わると同時に家を飛び出し国立駅へ。駅前に停車中のピンクのマイクロバスに初乗車。




「ピンク・バス」といっても角田光代さんの初期の傑作ではない。

ピンク・バス


わが都立「多摩スポ」の送迎バスだ。なかなかかわいいデザイン。


基本的に「多摩スポ」には運動のためにも徒歩で行こうと思っている。でもこの雪だもんね、と言い訳。



多摩スポではエアロバイクでしっかり汗を流し、フトモモを鍛えた。


レーニング室の窓からの眺めで雪が止んでいたのはわかっていたのだから帰り道くらいは歩いて帰ればいいのに、つい送迎バスの発車時間に合わせて終了時間を調整してしまった。歩けば僕の足だと25分以上かかるのがバスだと5分だものなあ。また乗っちゃいそう。



で、帰ってきたのは夕方近く。ほどなく夕食ともなってしまい、失せもののメガネはみつからないまま。<こしおれ>


淡雪を 踏んで小さき バスに乗る