「川島小鳥写真集『未来ちゃん』出版展」 (山陽堂ギャラリー)


蕃茄山人、またもや青山へ。


有名な「壁画」のある場所に行ってきた。



これ違う。これは高田馬場のガード下の壁画。



青山はこちら。


昔の週刊新潮の表紙の抒情画でお馴染みの谷内六郎さんの壁画。青山で一番有名な書店、山陽堂書店さんの側面だ。


山陽堂さんは今年でなんと創業120年。それを記念して大リニューアルが挙行された。3階4階をギャラリーに改装されたのだ。


今日はその柿(こけら)落とし。


記念すべき第一弾のオープニング展示は「川島小鳥写真集『未来ちゃん』出版展」。これは行かずばなるまい。


『未来ちゃん』は話題の写真集。


未来ちゃん


版元はナナロク社。北国に暮らす素朴な、と言うにはあまりにも純朴な幼女に密着した写真集。写真家は川島小鳥。まだ若い気鋭の男性フォトグラファーだ。


まあなんというか、可愛いんだ、仏頂面が。子どもって、リアルにはたいてい不機嫌だよね。もちろん笑いもするんだけど基本はブーッとした顔。それが実にリアルに活写されている。マナちゃんファンの方には申し訳ないけど、あの天才子役サイボーグ・芦田某嬢の真逆を行く可愛さ。


その多くが川島小鳥さんのサイトでアップされている。 ← クリック!!



この展覧会ではそのプリント、20数葉が展示されている。


それだけでも十分に楽しいのだけど、目玉は色校正。装丁の祖父江慎さんの色校正紙が展示されているのだ。


責了」「要再校」「要3校」などと赤ペンで大書された紙には、さらに「布団の陰の部分が黒くなっているので鮮やかに」とか「子どもの服にイエローを足してもっと鮮やかに」とか「この缶にもっと丸みが出るように」とか細かい指示が出されている。そして端のほうには「あとはよろしくお願いします。 祖父江」と丁寧に結ばれている。


これは本にかかわる人はぜひ見たほうがいいと思う。装丁家の真剣さが伝わってくる展示だ。



この「川島小鳥写真集『未来ちゃん』出版展」は25日(土)17時。まで。著者サイン本は数に限りがあるのでお早めに。


7月1日からは青山と言えばこの人、安西水丸さんのシルクスクリーン展が始まる。要チェック。そして村山嘉昭写真展、さらには「石津謙介生誕100年展」と続く。



見終わった後は渋谷に出て井の頭線。中央線への乗り換えのついでに吉祥寺はぶらぶらしていてたら、エッセイスト・書評家の岡崎武志さんとバッタリ。数日前に「近々お茶でも飲みましょう」とメールしてたところだったのでびっくり。近くの喫茶店で雑談。話題は本、本屋から路線バスへと飛び、かれこれ約一時間話し込んでしまった。<今日の三句>


新しき 画廊訪ねる 薄暑かな


杖音が 書肆に響きし 夏の夕


本が好き 挙げたこぶしで 汗拭う


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