そんなわけで昨日も落語を聞きに行ったのだ。
「西国寄席」
西国図書室にて。
この場合の「西国」は「にしこく」とお読みいただきたい。
ふつう「西国」というと「さいごく」と読み、近畿以遠の地方のこと、またはヨーロッパのことを指す。
しかしこの界隈ではいささかややこしい。
ある人は上のように「にしこく」と読み「西国分寺」のことをいう。
またある人は「にしくに」と読み「西国立」のことをいう。
僕は当然、後者。西国分寺は1972年4月1日開業と言う若い駅で、そのころには当然土地勘(土地鑑?)が形成されていた僕の世代は「にしくに」と読むはず。
だから、高校生ぐらいまではサミュエル・スマイルズの『西国立志編』のことも西国立の地元本だと思っていたくらいだ(本当ですか)。
ややこしさの原因はやはり地名に起因する、きっと。皆さんも知ってると思うのだけど知らない人もいるかもしれないので一応書いておく。
東から、「国分寺」→「国立」→「立川」と並んでいるからややこしいんだよね。
皆さんも知ってると思うのだけど知らない人もいるかもしれないので一応書いておくけど、元は立川は「川(かわ)」という地名でした。そして国分寺は「分寺(ぶんじ)」でした。でも「かわ」だけだと殺風景だというので、そして「ぶんじ」だと「桂平治あらため」みたいだからって言うんで、「国立」の「国」の字と「立」の字をそれぞれあげたのだ。それで「川」は「立川」に、「分寺」は「国分寺」になったのだ。
「多摩検定」に出るかもしれないのでよく覚えておくように。
それはともかく「西国寄席」である。
会場は「西国図書室」。
ここがちょっと面白いのだ。一種の地域文庫なのだけど、ここで本を借りたい人は自分の本をここに貸すというきまり。例えば1年とか3年とか。それで会員資格を得る。
つまり、自分の貸した本がほかの「会員」の手から手へと旅をするしかけ。そして貸主、借主のコメント、感想が書かれたカードが添付されるので、旅の軌跡がわかるのだ。
廃業したテーラーの後を居抜きで借りた若いご夫婦が住まいの一角を使って去年始めた活動。
毎週日曜のみオープン。場所は内藤橋近くのK山さんのご本家の向かい、っていえば地元の人なら見当がつくと思う。
そんな「西国図書室」のイベントである「西国寄席」の第一回が昨日開かれたのだ。
六畳と四畳半の座敷をつなげた広間で実施。
演者は上方の若手、桂弥太郎さん。数年前の連ドラ「ちりとてちん」で一番弟子の徒然亭草原を演じた桂吉弥さんの弟子。
若々しく明るく律儀な高座が魅力的。演目は「子ほめ」と「七度狐」。
マクラの自己紹介で「桂の弥太郎です。岩崎でも松浦でもありません」。
場内の何人が松浦弥太郎さんを知っているかには若干の疑問が残ったが面白かった。
こういう、地域の落語会と言うのはいいなあ。下駄履きで落語を聴きに行かれるというのは実にありがたい。またお客さんもふだんあまり落語を聞かなさそうなお客さんが多く、入口として最適。ぜひ、2回、3回とつづけて定例としていただきたい、と思った。
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