ここ数日、河童のことばかり考えている。
6月に開催した「降矢奈々原画展 おっきょちゃんとかっぱ」。少女と河童の友情、ひと夏の冒険を描いた傑作絵本だった。
カッパッパルッパッパ、キーザクラー。「相棒」を見ていると見られる。スポンサーなので。「花の里」にも黄桜のこもかぶりがおいてある。
河童というのはとても身近な存在の妖怪だ。
僕も子どものころから河童の絵が得意だ。
「得意」というより「特異」か。
河童の産地として有名なのは岩手県の遠野市。『遠野物語』のスター。目撃多発地に「カッパ淵」がある。
僕が何度か訪れた昭和50年代には通称「かっぱじいさん」と言う名物男がいて、観光客が来るとどこからともなく現れて河童伝説を身振り手振りで熱演するという。しかし若い女性観光客に限ってとの噂だった。なんだエロジジイかよと思っていたら、僕が行ったときも出てきてくれて説明してくれた。愛嬌のある可愛いおじいちゃんだった。
おじいちゃんによると最後の目撃例(当時の)は昭和38年とのことだった。昭和50年代半ばの昭和38年は、ほんの数年前だった。
そのとき一陣の風が吹いて、同行の幼馴染のマー坊(仮名・当時22歳)のキャップが飛んだ。それに視線を奪われている一瞬の間におじいちゃんの姿は消えていた。マー坊のキャップは淵の水面に落ちた。水の冷たいシーズンではなかったが、手近なところに木の枝があったのでそれを使って掬い上げた。
これで水に入って取ろうなんて思ったりしたら、それこそ尻子玉を抜かれていただろう。いやその後の僕のふぬけた人生を考えると、その時気づかずに尻子玉を抜かれていたのかもしれない。ところで尻子玉ってなに?
似た動物に奄美諸島に広く生息する「ケンムン(またはケンム)」がある。奄美育ちの島尾伸三さんには「ケンムンの島」というエッセイがある。
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その姿かたちは河童に似ている。「相撲好き」というのも河童と同じ。徳之島出身の知人・K社長はケンムンと相撲をとった人に会ったことがあるという。ケンムンは体は小さいがとても相撲が強く下手をすると投げ殺されてしまう。でもサルマタを頭にかぶり左手一本で戦うと勝てると言う。
「ケンム」とは「玄武」なのではないか。音の類似はもちろんのこと、そのフォルム。脚の長い亀に蛇が巻き付いた形だという。つまり甲羅を背負っている。河童と同じ。
と、まあそういうことばかりをなぜ考えているかと言うと・・・・。
河童にまつわるすごい本に出会ってしまったからである。
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いやはや面白いや。
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きっとあなたの「河童観」を覆すことだろう。
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