芭蕉に学ぶ徘徊の心

昨晩は退社後、「神楽坂・編集者の学校」の講座を受講した。今回の講師は作家の嵐山光三郎先生だ。地元・国立の顔とも言える方で、ふだんからいろいろお世話になっている。ぼくは勝手に「子分」を自称(僭称)している。

「神楽坂・編集者の学校」は元・「週刊現代」編集長の元木昌彦さんが「校長」を務める、若手編集者や編集志望者の育成を目指しているセミナーだ。
嵐山さん元木さんは五分と五分だか六分四分だかの兄弟分だ(推測)。だからぼくから見て元木さんは「オジキ」に当る (幻冬舎アウトロー文庫の読み過ぎか)

 共同主宰者は元・講談社の編集者で神楽坂で5軒の飲食店を経営する実業家・平松南さん。平松さんは神楽坂のタウン誌「神楽坂 まちの手帖」の編集発行人でもある。

会場は飯田橋駅前のドトールコーヒーの3階。この店も平松さんの店だ(FCオーナー)。
現地で国立のタウン誌「どんな国立」編集長の田中えり子さんと待ち合わせ。田中さんは平松さんとともに「まちづくりメディア」の旗手として注目されている人だ。

「田中さんと平松さんが友達になったら面白いな」、と考えてお二人の出会いをプロデュースした(大袈裟。お互いの紹介のメールを打っただけ)のが半年前、それ以来「同業者」として連絡を取り合っているそうだ。
ぼくと田中さんは自宅が近いのでよく会うし、平松さんとも職場が近いのでよく会う。田中さんと平松さんも同志だから会う。でも3人が一堂に会するのはこれが初めてだった。

雷雨の中、講座は始まった。テーマは「江戸の大プロデューサー・松尾芭蕉」。俳聖として神格化されやすい芭蕉の実像に迫る実に興味深い内容だった。
 
 芭蕉とスポンサー達のキワドイ関係、禁断の書『笈の小文』は芭蕉と万菊丸の(衆道の)恋の逃避行の記録だった、「田一枚」植えたのは遊行柳の妖怪だった・・・などなど、何遍も芭蕉の足跡を辿ったからこそ看破した真相の数々は実にエキサイティングだった。

 より詳しく知りたい方は嵐山光三郎著『芭蕉の誘惑』(JTB出版局)がお勧め。目からウロコが何枚も落ちること請け合いの1,500円だ。


 セミナー終了後は平松さん経営の居酒屋「凡」で打ち上げ。ダチョウの刺身を食しながら焼酎を痛飲した。


 終宴後、嵐山さん、元木さん、蕃茄山人の3人で神楽坂の路地を散策。

 いや夜中の12時過ぎに散策もないものだ。 徘徊だな、 俳諧じゃなくって (すみません)。