昨日に引き続きまして、朋輩たちの佳句・秀句を一気にご紹介。
便り来て心に影ひく灯し時 萌
さようなら五文字の手紙残り柿 萌
便りなき頼りなき身に夜は長く 萌
十五夜に虹の輪かかり雨便り 章
訃報打つ指先重く夜の長き 章
置き手紙もみじ一葉風に舞い 章
時雨るやそれぞれ電話街の椅子 敬記
絵手紙の描きそこねし秋刀魚かな 敬記
亡き人の手紙取り出す夜寒かな 俊夫
胸中の秘め事重く初時雨 俊夫
うす紅葉添えて安否の便りあり 俊夫
黒きものに回帰して止む冬の入り 好壷
細き腕おぶういかがと燗の酒 好壷
絵手紙に「秋」という字のでかさかな マスオ
落日や呑んで呑まれて薄情け マスオ
ああ無情秋が嫌いになりました マスオ
女郎花抱かれてじっとしてゐます 二庵
行く秋のモノレールの音見上げけり 二庵
それではまた来月。