大晦日のカレンダー

今日は大晦日。大掃除はあきらめた。今日は何にもしない。二日酔いだし。なんて考えながら着替えていたらジーンズに穴が開いているのに気がついた。

  穴あきジーンズをはいてカッコいい年齢でも体型でもない。買いに行くことにした。

  出かけようとしていたら、兄弟の中で一番鼻の利く長女・花子(仮名・小4)が飛んできた。

  「連れてって」

  そして家族の中で一番鼻の利くツマが

  「アイロン台のカバーと居間と子どもたちの部屋のカレンダー買ってきて」

  そうなのだ、カレンダーがなかったのだ。不景気の影響で企業や商店のカレンダーが減り、残ったカレンダーもまるでエクセルで作ったような実用本位なものがほとんどなのだ。

  ジーンズにアイロン台カバーにカレンダー四つね。そうなると駅前のジーンズメイトってわけにもいかないね。で、武蔵境のイトーヨーカドーに行くことにした。

  ジーンズはいつものやつだから簡単にみつかり、アイロン台カバーもすぐにみつかった。問題はカレンダーでコミックスのキャラクターものしかなかった。

  しょうがない他所で探すか、とエスカレーターを降りたら下からおじいさんが登ってきた。昇りに乗ろうとして下りに乗ってしまい引き返そうとしているらしい。必死に駆け上がるのだが老人の足なのでスピードがついていかず地上高ではほとんど変化がない。上からは連れ合いらしいおばあさんの笑い声が聞こえてくる(笑う場面じゃないのだが)。危険なので、

「やめたほうがいいですよ」

と声をかけるとちょうど疲れも限界だったのだろう、

「はあ」

といって立ち止まり、下に降りていった。

カレンダーは武蔵境北口の書店「ワイルドフラッグ」に行って買った。長男・虎太郎(仮名・中二)は恐竜の図解、花子は子犬の写真、次男・三吉(仮名・小一)はハムスターの写真(見せたら案の定「インカ・カーンだ!」と叫んだ)。居間には岩合光昭の日本犬を買った。

  ジーンズ2本と、アート紙の12枚もののカレンダー4本というと相当重い。花子と手分けして持ちながら、「重いね」などと話していたら携帯電話が鳴った。

「ベア−ド・パパのシュークリーム買ってきて」
 

家に帰ってカレンダーの付け替えをした。ダイニングには唯一のもらい物のカレンダー「関西国際空港」のオフィシャルカレンダーだ。妻の実家の菩提寺からのもらいもの。ご住職が写真家で毎年、関空のカレンダーの撮影をされているのだ。

玄関にはもちろん俳画カレンダー「本をめぐる四季」である。

そして一家の大黒柱たる僕の部屋のカレンダーは、いつもこれ。PC脇の壁に両面テープで貼り付けている。大きさの対比として10円玉を貼ってみた。