紀行文を読もうと内田百鬼園先生の「第一阿房列車」をブックス・キューブリックで買い求めたところまでお話しした。
復路はそれを読みながら帰ってきたわけだが、それがまた「博多っ子純情」につながる。
高校生の六平が悪友の阿佐道夫と一緒にある謎解きに悩んでいる時、クラスの秀才の某君が明快にその謎を解くシーンがある。その時、秀才の某君が謎と謎解きの原典として示したのがこの本、「第一阿房列車」なのだ。
先生と弟子のヒマラヤ山系君の列車内のやりとりが元になっている。以下、その抄録をヒマラヤ山系君の台詞で・・・・。
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3人で宿屋に泊まりましてね。払いが30円だったのです。
それでみんなが10円ずつ出して女中に帳場に持って行かせました。
そうしたら帳場がサアヴィスということで5円まけてくれたのです。
それを女中が3人のところへ持ってくる途中で、その中の2円をごまかしましてね。
3円だけ返してきました。
だからその3円を3人で分けたから、一人1円ずつ払い戻しがあったのです。10円出したところに1円戻ってきたから一人分の負担は9円です。
9円ずつ3人だしたから、3×9=27円。27円に女中が2円ごまかしたから〆て29円。
1円足りないじゃありませんか?
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あ、ホントだ、なんでだろう?
大寒波の中、勇躍飛び立った飛行機の中、深く考え込んでしまった。考え込むうちに件の秀才の某君の明快な謎解きを思い出したのだ。20数年ぶりに再会した博多っ子の叡智・・・。
どうでしょ、皆さん。結構面白いクイズでしょ?