「柳家一琴の会」

天皇誕生日でお休み。なんか昨日の疲れが残っている。アクセス数もいきなり平常に戻った。

今日は昼から中野芸能小劇場にて「柳家一琴の会」。当蕃茄庵イチ押しの柳家一琴さんの月例独演会だ。

今日は長男・虎太郎(仮名・中3)を連れて行った。下町ダニーローズ公演「エクソシスト達の憂さ晴らし」で悪魔に取り付かれた旦那様を演じた噺家さんの独演会だといったら喜んでついてきた。


前座さんに続いての一琴さんの根多は「ねずみ」。甚五郎ものの傑作だ。敵役の虎屋(羊羹屋ではない。宿屋だ)主人がいい。一琴さんの悪役は迫力あっていい。


ゲストは柳貴家小雪さんの水戸大神楽小雪さんという名前からもわかるように妙齢の女性である。1976年生まれとパンフレットに書いてあるが女子大生でも通るような可愛らしさ。

でも芸は凄いぞ。大神楽の伝統的な曲芸を楽々こなしていく。内容はお染ブラザースの芸を想像していただければいい。しかもどこか上品なテイストがある。でも若く可愛らしい女性なので、鞠とバチを持って見得を切ったりすると新体操でも始まるのでは思ってしまう。


二席目の根多は、ご存知「柳田格之進」。人情噺の大作だ。

となりで虎太郎が、

「この噺、知ってる」と囁く。

そういえば以前、志らくさんで一緒に聞いたのだった。

志らくさんでは、番頭・徳兵衛の小物ぶりがおかしくて大笑いしたが、一琴さんでは主人公・柳田格之進が凄くいい。剣術の達人だという気迫が伝わってくる。大人の風(たいじんのふう)がある一琴さんに凄く似合っている。

クライマックス、雪の湯島の切り通しの坂道を傘を差した柳田格之進がゆっくりと降りてくるシーンの描写などは、まるで一幅の名画を見るようだった。

終演後は年末特別企画の抽選会。入口でいただいたパンフレットに番号が振ってあった。ジーンズにTシャツに着替えた一琴さんが司会進行。さっき柳田格之進で観衆を感動させた人とは思えない軽やかさ。

プレゼンターは一琴さんのご長男。一琴さんが番号を読み上げ客席で手が挙がると、賞品を持ってピョンとステージを飛び降りて跳ねるように当選者のもとに走っていく。子リスの様で可愛い。

僕も当たったぞ。一琴さんの手ぬぐい。やったね。


会が終わって外に出るとグッと冷え込んでいた。