昨日、国立演芸場には長男・虎太郎(仮名・高1)と二人、四ッ谷駅からタクシーで行った。
タクシーに乗って、「国立演芸場まで」と告げると、運転手さんはバックミラーでこちらを一瞬チラリと見てから、心得たとばかり元気よく、
「はい、わかりました!!」
と走り出した。
「はい、着きました」
あれ、いつもと景色が違うぞ・・・・。あ! ここ、楽屋口だよ!!
すみません、客席入口の方にお願いしたいんだけど…。
「あ? え? あ、はい。すみません・・・」
どうやら運転手さんは僕たちを出演者と間違えたらしいのだ。角刈りの中年男とボーズ刈りの若者の二人連れだから、芸人さんと弟子の前座さんぐらいに見えたのかもしれない。別に車内で、
「いいか、勉強したことはみんな自分のものとなってかえってくるんだぞ」
なんて説教は、今日に限ってしてなかったつもりなのだが。
実は、僕は結構、いろいろ間違えられる。以前、大阪出張の際、天王寺で飲んだくれて、定宿である梅田の法華クラブにタクシーで向ったときは運転手さんに、
「しかしなんですねぇ、お寺さんもいろいろ大変でしょう?」
と話しかけられた。もちろんせっかくなので、
「今はいろいろやかましいからね・・・・」
と答えておいたのだけど。