甲州旅日記9 武将と忍耐

banka-an2007-08-24


【2日目 その1】
ようやく2日目である。僕の話はくどくていけない。でも性分だからしょうがない。治す気もない。

そういうわけで、「スパ△ンドホテル○イトー」を出た僕たちは、ホテル前のガソリンスタンドで給油した後、中央高速を西に向かった。正確には北西方向に向かった。

本日の行き先は北杜市。「ほくと」と読む。つい「きたもり」などとマンボウな読み方をしてしまう。合併によって出来たとてつもなく大きな市だ。

風林火山館」へ行く。え、また? と言うなかれ。昨日のは「風林火山博」。今日のは「風林火山館」。大河ドラマ風林火山」の武田家の屋敷のロケ地だ。山の中に突如現れる。

いずれにせよ、二日連続「風林火山」を学ぶ旅だ。原則的に、僕の旅はよく見学する。「枕投げと好きな人の告白のない修学旅行」と思っていただければ間違いない。

ただこの施設は見学できるのは外観のみで建物の中には入れないし、物見の櫓にも登れない。それがちょっと物足りない。残念。でも我慢する。人間、忍耐が大切だ。

だって、僕たちより我慢している人がそこにいるんだもの。信玄公である。

鎧兜を身につけた武田信玄公が炎天下、観光客との写真撮影用に門前に立っておられるのだ。しかも信玄公の兜といえば諏訪法性の兜。あの毛だらけのやつである。見るからに暑そう。だから観光客もそばに寄らない。淋しく佇んでいる。

いかにも学生アルバイトの貧相な兄ちゃん。あんまり無理して、倒れたりしないで欲しいぞ。そのことを3年間秘密にするのは面倒くさいからね。